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2010-06
24
17:32:55
岡崎市立中央図書館事件 #librahack について愛知県警に電話して聞いてみた


連日Twitterでは #librahack ハッシュが大盛況だが、個人的には事実関係でよく分からないことも多く明白にしたいことではあったので、直接愛知県警に電話して事情を聞いてみました。岡崎署ではなく愛知県警なのは、そちらが事件捜査の主体的な役割を担っただろうと判断したからです。

対応して頂いたのは生活経済課の方。お名前は出しません。愛知県警ではこの課がサイバー犯罪を担当しているそうです。
担当して頂いた方は割と若めで理路整然と話したいクールなタイプ。多少警戒されて話されていたのが印象によく残っています。
ネットでもこの聞き取り結果を公表したいともお話ししましたが、「あくまであなた個人に対して個人としてご回答しただけでそれ以上でもそれ以下でもない。これはあくまで一般論としてのお話しです(注: 個別事案について漏らしたわけではない、という意味かな?)。話した事実関係をお話し頂くことはあなたの責任範疇の話で別に問題ない。但しそれを元に『じゃあこういう抜け穴もあるのでは』と書いたらそれは教唆ですから」とも忠告してくれました。そのつもりでお読み下さい。
フレンドリーとは言いませんが(住所・氏名も聞かれたし(笑) 単に記録かも知れないけど一種のプレッシャーでもあるのかも知れないですね)、誠実に対応して頂けたと思います。ありがとうございました。

聞き取った事実関係のみ羅列します。

  • 警察の考え方として、立件したのは事実として岡崎市立中央図書館のWEBサイトがその行為により閲覧不能に陥り他の利用者が利用できない状態に陥っているから。警察は常に被害者の立場での問題に対処している
  • (クロールという行為自体は世間ではよくあるプログラムでありまた作成者の立場からはどのような被害が出ているのか分からない、との質問に対して) それはネットに詳しい方の一方的な見解に過ぎない。ぜひ図書館側の立場で考えて欲しい。不用意にプログラムを走らされて利用が不可能になった図書館側としては非常に困る事態に陥っている。作成者側の事情や立場に立つのではなく、警察は被害者側の立場で対応する。これはネット上でどうというよりも、実際に現実世界で被害を受けた方々がいることが重要視される
  • そもそも図書館側は大量のアクセスを想定してサービスしていない。そこにこのようなプログラムを走らせて機能不全に陥らせたことが重視されるべきである。そういう利用をしたいのであれば、まず図書館側に電話やメールで連絡して了解を取り付けるべきであった
  • (“故意”をどのように認定したかについて) 捜査上の秘密なので言えない。
  • (検察の起訴判断も終わり事件としては終結したのでは、という質問に対して) 明白な故意という判定は難しいはずだ。それは心の中で本当は何を考えいていたかはその人にしか分からない。我々は周辺の様々な状況から判断する。そして例えば裁判で様々な証拠から裁判官の心証として故意は認定される。また偽計業務妨害罪の法文上は故意が必要とは書かれていない。我々は法文でどうなのかを重視して判断する。(判例上は?という質問に対して) それはそちらで勝手に調べて下さい。もちろん判例も考慮する。
  • ストーカー規制法違反事案を想像して欲しい。加害者にどのような意図があろうとも被害者を守らなければならない。それと同じように警察は被害者をまず一番に考えて動く。
  • (『基本的な考え方はわかった。しかし個人意見として、インターネットでは例えばWEBサイトは常にオープンな接続が前提とされており、今回もスタートは全く同じだ。しかし逮捕に至った。例えば道行く人を阻んでいきなり迷惑をかけたのとは異なる』との問いに対して) おっしゃる意味は理解するが実際に被害者が出ていることが重要だ。そういうプログラムが作れるから実行できたから相手の迷惑が関係ないとはならない。
  • (果たしてどこからが問題なるかわからないのは大変に不安だ、との問いに対して)例えば30000回のアクセスは駄目だったから、では29999回ならいいのかとはならない。0か1かで判断しているわけではない。被害者のいる事案であり様々な状況を考慮して対応している。

以上でしょうか。
恐らくは別に捜査機関全体の意見を代表しているわけではないことに注意。但し現場ではどのような考え方で発想されているのかの参考にはなるかと思います。
僕は果たして警察はどのような発想・考え方で動いていたかに興味があったのと、事件の捜査過程については「関係者からの問い合わせではないので」と拒否されたので、不満の残る箇所もあろうかと思います。
特に「故意」の部分については突っ込んで聞きたかったのですが、具体的な過程は明白に出来ないのでしょう、はぐらかされた感はあります。

最後に、もし似たようなプログラムを予定していて不安があるのなら、警視庁のサイバー犯罪担当へ問い合わせて確認した方がよいとアドバイスがありました。愛知県警を含め各県警が警視庁の判断や事例に従うから、とのことです。県警として答えられるのはこれまで担当した事案に対して同じ状況であれば逮捕します、としか答えられないとのこと。

ここではまずは聞き取り結果としてのみ公表するにとどめます。
何かの参考になれば幸いです。