7月になってsecure.softbank.ne.jpという一種のSSLプロキシの廃止を受けて、高木さんと徳丸さんから続けて背景説明のエントリーが発表されている。
SoftBankガラケーの致命的な脆弱性がようやく解消
ソフトバンクのゲートウェイ型SSLの脆弱性を振り返る
簡単に言えばこのSSLプロキシの廃止は重大なセキュリティリスクを回避するために絶対的に必要だったと言うことなのだが、詳細はぜひ上記を参照して欲しい。
正直に言うと、この高木さんとソフトバンクモバイル宮川氏のやり取りの前に少しきっかけに関わったので興味を持ってみていたのだが、当初は発端となったアプリ側でのCookieの取り扱いにくさ以上の感触を得ていなかった。
それが違うなと思い直したのは両名が7月を前に盛り上がりだしてからで(笑)、それが同一生成元ポリシーに関わる問題であろうことはその後すぐ気付いた。
しかし実は水面下では、端末のJavaScriptを調整してsecure.softbank.ne.jpでの挙動のみ変更したいたことなどは今回のエントリーで始めて知った次第だ。
アクロバティックな対応だなと思うし、非常に感じるのはこれまで閉塞した世界でなら何も考えずとも良かった問題がJavaScriptやあるいは通信路の解放などといった「オープン化」によって大きく揺らいで行くであろう未来の姿だ。
先のエントリーで徳丸氏は以下のように述べている。
この事例から言えることは、(ガラパゴスと表現されることもある)日本の携帯Web独自の仕様というのものが非常にきわどく、もろいものだということです。
携帯Webの仕様がオープンにならないことも問題です。私は前述のJavaScript等の仕様を調べるために、公開されている仕様書だけでは十分でないために、実機での試行錯誤が必要でした。携帯Webの安全性確保のため、開発者やセキュリティ研究者に向けた十分な情報開示を希望します。
僕も全く同意見だ。
そもそもの問題はあまりに日本のケータイWEBがガラパゴスと言われるような独自進化をし、それはクローズドだったからまだよかったものの、ここへ来てスマートフォンに始まり、JavaScriptなどブラウザがリッチ化しOSはAndroidなどよりオープンなもの(逆に言えばキャリアやメーカーが手を加えにくい) となり、また通信路はWi-Fiや定められた端末しか繋げられない閉塞したものではなくPCなどと同居するよりオープンなものへと変貌しつつある。
日本のケータイシーンはただ端末がガラケーからスマートフォンへ置き換えられているだけではない。技術的な観点からすると「一般的なインターネット」へ変貌つつある。
問題はそうした急速な変化の中で果たしてキャリアはこうした旧世代の脆い仕様との乖離に伴う脆弱性に正しく対応可能なのか、ということだ。
少し古い話になるのだが、実は半年ほど前個人的に一ユーザーとして各キャリアに以下のような質問を行ってみた。
1. 具体例は示しませんが、近年携帯電話やスマートフォンに関して、セキュリティ上の脆弱性がネットなどで指摘されることが多くなってきました。
この1年間において御社にて脆弱性が発覚または発見しこれを修正などの対策をされた実績がありますか。ある場合、もし宜しければ具体例をお教え下さい。
2. 1のケースに関わらず、一般論で結構なのですが御社では脆弱性が発覚した場合修正し対応なさいますか。対応する/しないの判断基準はどの点だと認識していらっしゃいますか。
3. その場合、脆弱性があった旨ユーザーに情報を開示されますか。
4. 御社にてこうした脆弱性対応のためのポリシーを策定し運用されていらっしゃいますか。またそれは公開されユーザーへ周知されていらっしゃいますか。
各社様々経緯があり返答に時間もかかり結局一ヶ月近くかかった覚えがあるのだが、簡単にまとめると各社の回答は以下のようなものだった。
| 質問事項 | 脆弱性が発覚または発見しこれを修正などの対策をされた実績はあるか | 脆弱性が発覚した場合修正し対応するか。対応する/しないの判断基準はどの点だと認識しているか | 脆弱性があった旨ユーザーに情報を開示するか | 脆弱性対応のためのポリシーを策定し運用しているか。またそれは公開されユーザーへ周知されているか |
| ドコモ | 特に回答無し | - ウィルス対策、パターン更新などの対策を行っている - 対策の判断基準は脆弱性の程度や影響などを総合的に判断 |
- お客様にお伝えできる情報は弊社ウェブサイト等にて公開させていただきますことをご了承ください | 特に回答無し |
| au | - 脆弱性事例はあり(最近の例を例示) | - システムに脆弱性があることについて事実確認されアップデートによって脆弱性が解消できることが判明した場合には必ずWEBサイトで告知を実施した上でアップデート対応を実施する | - セキュリティに関わる問題については悪用される危険性があるため詳細な内容については公表しない。但し該当ユーザーについては個別に周知している | 特に回答無し |
| ソフトバンク | 弊社の機密事項に関するものとなるで社外への情報開示はWEBサイトで公開している内容のみでそれ以外は答えられない | |||
| イーモバイル | 特に回答無し | 特に回答無し | - お客様に影響を及ぼす問題が発見された場合には、すみやかに情報を開示し対策を実施することとしています。 情報の開示方法は、弊社ホームページ上に掲載するケースや、 個別にご連絡する場合など案件によって最適な方法で実施いたします。 |
特に回答無し |
多少の違いはあるが、どれも判で押したような特に具体性のない内容であることは間違いないだろう。
注目すべきはどこのキャリアも回答には数週間から一ヶ月かかっている、つまりあらかじめ想定している内容ではなく、 社内調整した結果の回答であったのだろう。それは脆弱性ポリシーの有無の質問に対していずれも明確な回答がなかったことからも察しが付く。
つまりは各社とも今回のような脆弱性への対処については明確な社内規定やルールがあり運用されている訳ではなく、発覚した場合のケースバイケースということなのではないだろうか。
これは一言で言って常に対処が後手に回り対処療法に陥りやすい危険な兆候とも言えるだろう。
「フルディスクロージャ」という言葉がある。これは「脆弱性情報を隠蔽しこれを知り得ている一部の悪意あるユーザーに悪用されるよりは、脆弱性情報を発見したらすぐに広くオープンにして全てのユーザーに完全に周知した方が安全だ」という考え方だ。
これはこれで極端な考え方で、例えば0Dayアタックと呼ばれるような一般ユーザーにこのような脆弱性から守る術を持たないうちから攻撃されるリスクが十分あるからだ。
そこまで極端なフルディスクロージャーは近年では採用されることは少ないが、しかし一方で上記のようなキャリアの態度というのは、これまた極端な「隠蔽体質」と言われても仕方ないだろう。
しかし実はこのフルディスクロージャーの考え方には、インターネット黎明期に脆弱性の隠蔽が頻繁に行われ、その結果被害が拡大した結果、反省と反発からの一種の極論から生まれたという背景がある。
キャリアが理解しているかどうかは分からない。しかし僕にはこれまでのキャリアは閉塞網と完全に制御された端末でのうのうと暮らしてきた「井の中の蛙」に見える。
スマートフォンの伸長は歴史の針を一気に進め、蛙を大海へ叩き込んだ、とも言えるだろう。
彼らが今後暮らさなければならない「本当のインターネット」の大海では、脆弱性情報は共有され適切に管理され、インターネット全体の安全性のバランスを取る仕組みと常識感が既に熟成されている。それはインターネットの巨大なプレーヤーとしてはほぼ責務と言っていい。 だがそんな「本当のインターネットでの常識」に付いていけるだけの力を身に付けられているだろうか。僕は甚だ疑問だ。
キャリア各社は今後スマートフォンへ軸足を移し、また「普通のインターネット」を提供したいと発言している。一方で各キャリア毎に課金・認証の仕組みを導入しようとしており、ドコモはiモードを、auはau one IDをすでにAndroidに組み込んでいるようだ。
けれど彼らは本当にそれらがインターネットの大海でどういう意味を持つか理解して実現できるだろうか。
僕はこうした脆弱性ポリシーや、インターネットでは当たり前の技術情報の周知1つ出来ていない現状では結局同じことを繰り返し、更に酷いセキュリティ問題を繰り広げる未来としか思えないのだ。
ここしばらくキャリア各社の新製品発表なども続き、その中で時あたかもドコモ・auで立て続けに同じような興味深い発言が続いた。
ネットの大海原に出るための「再定義」――ドコモ伊倉氏に聞くスマートフォン時代の“パラダイムシフト”戦略(後編) (3/3)
では、なぜキャリアがスマートフォンを推進しているのかというと、まずフィーチャーフォンの垂直統合のモデルから、そうならないところに移ることが重要である、ということがあります。それをドコモが積極的にやることによって、インターネットの世界や新しい世界をきっちりと理解し、その中でクラウドを意識して、サービスの設計をする。将来的にクラウド系のサービスをやる前提として、スマートフォンを推進しなければならない。
【WIRELESS JAPAN 2011】 KDDI田中社長、「なんちゃって」から「真のインターネット」へ
「この10年は、携帯電話の10年だった。また3Gと定額の時代でもあり、その中で、なんとか(パソコン向けの)インターネットの価値を小さなデバイスに取り込む、『なんちゃってインターネット』の時代だった。非常に良い時代だったと思う」と表現した
微妙にニュアンスは異なるが、ともに「もう携帯電話に独自ネットを閉じ込められない」危機感を有しているのがよく分かる。
キャリアから見た場合には見方が異なっていると思うのだが、この10年は携帯電話のCPUなど性能の問題で「なんちゃってにせざるを得なかった」という意見のようだ。
しかし当然理解されることとして、日本のガラケーは既に何年も前からスマートフォンだったという人もいるように(僕はそう思わないが)、またフルブラウザはもう5年以上も前から登場しているし海外ではスマートフォンはやはり5年も前から普通に使われていたことから考えて、単にここに来て「各キャリアが従来の携帯網ビジネスを手放さなくざるをえなくなった」一種の敗北宣言と捉えられよう。
日本のキャリアがこれほどまでに垂直統合モデルによって過分な利益を享受しモバイルECをここまで発展させられたのは、これまでも何度か書いている通り「閉塞された携帯網」でのみネット接続を許し、その中でのみコンテンツの利用をユーザーに許し囲い込んできたからだ。
まさしく「なんちゃってインターネット」であったわけだ。
参考:
iモードはダイヤルQ2から始まった
“ガラパゴス”の定義とは
約1年前に「SIMロック解除よりもアクセスポイントの解放こそが有効だ」という記事を書いた。そこではSIMロック「だけ」ではなく、閉塞した携帯網ではなく、インターネットへ開かれたアクセスポイントの解放が必要だと書いた。実のところ、こうしたコンテンツを囲い込む閉塞した携帯網でビジネスを続けてきたのは日本のキャリアだけであり、だからこそ寡占状態を生み出せて成功もしたのだが、世界的にはこうした垂直統合の名の下の囲い込みビジネスは珍しい。他国ではそもそも携帯網とはインターネットへ直結されている、携帯網とそれ以外の違いはなかったからだ。
では従来の携帯網をそのままスマートフォンに適用すればよいかというとそれも難しい。モバイルECを支えているケータイID(端末ID)はセキュリティ的には非常に脆弱であり、閉塞した携帯網でしか機能できない。
またもともとスマートフォントは、キャリアが企画して作り上げたものではない、いうなれば海外直輸入の「黒船」であるのでそうしたビジネスモデルが構築できない。
そこをどうするかを各キャリアは今必死に考えているところであり、それを示すのが上記の記事でもあるわけだ。
そして長期的に見れば、各社とも認めているとおりこのビジネスは衰退せざるを得ないだろう。そして否定はしているものの、各キャリアはやはり「土管屋」として、これまでのようなコンテンツビジネスからは市場からは追い出され回線費用のみで稼がざるを得なくなっていくだろう。
それがこうした弱気さともあるいは前向きとも捉えられる発言の背景なのだと思う。
では今後誰がケータイやスマートフォンのコンテンツ市場を担っていくのか。
それこそまさに「本当のインターネット」の世界が決めていくことであろう。これはここに来てようやく日本のケータイがインターネットに繋がりつつあるのだということだ。
これからのケータイネットにおいても、少なくとも現在主流のYahooなどのポータル勢やまたゲームを中心にしたSNS勢、またはFacebook、Googleといった海外勢が多くを担っていくことになるだろう。
では果たしてこれまで各キャリアと組むことで謳歌してきたコンテンツプロバイダー(C/P)各社はどうだろうか。
先日このような発表もあった。
「スマートフォンでiモード」を普及の「武器」に──ドコモ夏モデル発表
今年冬には、スマートフォン向けにiモードの課金・認証の仕組みを導入。iモード端末ユーザーが「マイメニュー」をそのまま引き継ぎ、iモード公式サイトコンテンツをスマートフォンでも利用できるようにする
さもあらん、という感じだが、このiモードコンテンツのスマートフォン対応というのが何かはよく分からない。そもそもコンテンツとしてはスマートフォンへ完全に作り替えなければならないのでこれまでのケータイ向けノウハウは全く役に立たないだろうし、また課金などの仕組みもiモードから移行させるのだろうが、これがうまく行くのか(セキュリティ的にも)よくわからない。
実のところ、個人的にはこれはドコモが主体で行いたいと考えているのではないだろうと思っている。つまり売り上げ低下の激しい従来のC/Pからの激しい追求・要望があった故ではないか。
ではうまくいくだろうか。
一つ思うのは「檻の中で飼われたライオンは野生では生きられない」ということだ。課金の仕組みもお仕着せのユーザー導線も何もないところから競争を勝ち上ってきた「真インターネット」組に太刀打ちできるとは到底思えないのだ。
キャリアが望もうと望むまいと、あるいは如何に抵抗しようと徐々に「土管屋」へ近づくのは時間の問題だ。つまり焦点は既に土管屋にはなく、果たして(主に海外)メーカーがまたは他のサービス事業者がどのような施策を打ち出しつつあるかに注目した方がよい。
二年後、恐らく日本の携帯業界は今とは全く別の力関係が存在していることだろう。
年末だなぁ。ってのはやけにテレビが面白くて感じることが多いですよね。
ということでふと気が向いたので僕もちょっと来年2011年(あるいはそれ以降?)に起こりそうな変化というか展望についてちょっと考えてみました。予想と言うほどでもないしもちろん予言でもなく、僕自身が期待している分野の話と言うことで。
因みにモバイル・IT混在です。 続きを読む »
IS01がAndroid1.6からバージョンアップされないことになってちょっとしたお祭りになった。
そもそも0円端末/8円運用が注目されていた矢先の発表で余計に注目を集めることになったことだろう。
しかし0円で買った人はともかく、発売直後にそれなりの価格で買った人も大勢いたはずで、2.1への移行に期待していたとしたらそちらの方がよほどショックなことだっただろう。
OSバージョンアップが出来ない、という残念な決定は別に国内メーカーに限らず、HTCでもMotorolaでも実は海外勢でもあることだ。ソニエリのXperiaが1.6から2.1へのアップグレードに半年ほどかかりユーザーをヤキモキさせたのも記憶に新しいところだろう。
こうした理由は単純に新しい今後のOSの求める性能や機能などが原因でそのハードウェアでは対応できないという理由が大半だとは思うが、一方で日本メーカーには今後更なる足枷となる原因が潜んでいるとも思う。それが「ガラケー機能」の搭載だ。
一般にこれまでキャリア各社は「始めにハードありき」のサービス展開を目指してきたと言える。着うたもそうだし、また「ガラケースマートフォン」の標準機能となりつつある、おサイフケータイ・ワンセグ・赤外線通信も当然そうだ。
しかしその前提はスマートフォンの登場と浸透で徐々に崩れ去ろうとしている。
OSと開発環境はGoogleが準備し、Android端末における基本的なハードウェアスペックの範疇のようなものも国際的に熟成されつつありこれを外れる調達と製造のコストは馬鹿にならなくなるだろう。
その上上記のような「最新OSへの対応速度」というものが端末やメーカー/キャリアの魅力に付加されるようにもなってきた。
当然特殊なハードウェアを国内機に限って使い続ける限り国際調達力はつかないし、ハードウェアと最新OSに合わせたドライバー・アプリ開発は製品開発サイクルの冗長化つまり競争力の阻害を招くだろう。
ルールは変わった。ならば対応もそれに応じて変わらなければならない。
そこで僕の考えはこうだ。ガラケー機能は今後如何にハードウェアから脱却できるかが今後も生き残れるかどうかの鍵となる。
例えばおサイフケータイ。既報の通り、海外勢では同等の機能を目指してNFCにより近接無線通信を行うことになるだろう。またハードウェア的にも日本のように端末内部にFeliCaのようなハードを仕込むのではなく、SIMカードに内蔵させる方向であるらしい。Androidではすでに次期バーションでの採用が決定しており、またiPhoneでも同様の対応がされると聞く。
おサイフケータイの機種変更時の煩わしさは誰もが経験して評判も悪いところだが、それは端末本体に機密情報を格納するという方法を取っているからだ。これがSIMカードに変われば理論上は単にSIMを入れ替えるだけでおサイフケータイ機能も含めた機種変更が行える。よくよく考えるまでもなくこちらの方がメーカーにとってもユーザーにとっても合理的だし日本では何故その方法が取られなかったのか非常に不思議だ(というか、恐らく単純にFeliCaを売りたかった都合なのだろう)。
この場合端末にとってはSIMカードとのインターフェースさえ定義されていればいい。そしてそれは恐らくOSが吸収することになるだろう。機種ごとのドライバーなどは必要なく、あとはおサイフケータイを利用するアプリのみが開発され続ければよい。
もちろんNFCをベースとしたビジネスモデルがどうなるのか、どのような普及をするのかはこれからの課題だ。
しかし例えば一例を挙げれば、海外ではすでにこのようなサービスも登場しつつある。
簡単に言えばこれはおサイフ機能をローカルからアプリそしてネット側へ移行しようという発想だ。そしてこれらのビジネスモデルが世界を席巻し始めた時、iDやEdy、Suicaなどが如何に日本で普及していようと果たしてそれに抗い続けることは可能だろうか。
日本のおサイフケータイはほとんどがローカル機器での通信にて取引を完結させる発想を持っている。もちろんよい面もある(プライバシー保護など)が逆に言えばそれをすべてクラウドで完結させるサービスが登場すればそれほどの競争力を保ち得ないのではないかと思う。
オフィス製品や大規模なERP製品が今まさに徐々にクラウドサービスに吸収されつつあるように同じことが起こりえるのではないか。
その足かせとなるのがやはりハードウェア依存ということだ。ここから如何に脱却しネットワークへ主軸を移し端末依存を止めキャリアやメーカーの壁を脱却しない限り、そもそもおサイフケータイの各サービスは生き残れるかどうかの瀬戸際に立たされることだろう。
ワンセグについて、実は理論的には最も対応は簡単だ。ワンセグ放送のIP再送信を認めればよいだけだ。そしてそれを再生できるアプリを搭載する(マーケットから自由にダウンロードできる)だけだ。
そもそもワンセグ放送は携帯キャリアというよりは総務省と放送業界の強力な後押しで始まったに過ぎない。そしてデジタル放送始めIP再送信を阻んでいるのは通信と放送の分離政策および著作権行政だ。(放送法上一部の免許では特定地域にしか放送できない、などの制約がありボーダーレスなIP通信と馴染んでいない)
この問題はいつも多数の受益権者が絡みなかなか進展しないが、例えば既に海外のテレビ局が次々と行っているようにオン・デマンド放送を、しかも海外拠点から日本向けに行う企業が出てきたら果たしてどうなるだろう。インターネットには国境は無くまた日本の電波法・放送法を盾に海外の企業へ影響力を及ぼすのは国際司法上かなり無理があるだろう。
とは言え必ずしも悲観すべき状態ではなく各種実証実験なども細々とではあるが行われているようだが、大きな判断を速く下さなくてはこの分野さえ海外勢との競争に苦しむ事態に陥ることだろう。
赤外線機能に関して、逆説的だが果たして「赤外線機能が欲しい」と考えるユーザーは果たしてどれだけいるのだろうか。そう、ポイントはそこではない。ユーザーは赤外線機能ではなく、「アドレスの交換機能」が欲しいだけだ。
特別なハードウェアからの脱却という意味では、赤外線センサーを使用する必要性は全くない。例えばBluetoothなどを用いてアドレス交換を行うアプリも広く知られており、QRコード読み取りというのも一つの方法だろう。
従来のガラケーとの互換性という意味では最近のガラケーでもBluetoothは一般化しつつあり、逆にガラケーにそうしたアプリを搭載するのも一つだろう。
そしてまたAndroidやiPhoneもそうであるようにそもそものアドレス帳機能はローカルに隔離されているよりもクラウドで管理され複数の機器で共用できる方がよっぽど便利だ。この分野も単に赤外線機能などに止まらず、いかにクラウド対応を推し進められるかがポイントとなっていくだろう。そしてやはりまたそれはガラケー自身においても同様である。
何故このような極端に見える(かも知れない)サービスの再編が必要なのか。ハードウェア依存が「悪」なのか。それはスマートフォン、そもそもモバイル機器が宿命づけられている「ネットワーク親和性」故だ。
これまでキャリアがすべてのサービスを決める「牧歌的な」時代であればサービスがハードに依存していようとアプリだろうとクラウドだろうと関係なかった。しかしそうしたコントロールが行えなくなることは端末一体の訴求力をサービスやクラウド連携と言ったネットワーク指向性の高いサービスへ移行せざるを得ないことになる。でなければ既に述べたようにハードが足枷になり競争力の低下とサービス品質の低下を招くだけだ。
「日本発」のこれら「特異な」サービスは遠からず市場からの撤退を迫られることだろう。実際、例えば着うた/着うたフルはスマートフォンの浸透に伴い徐々にそのプレゼンスを無くしていくことだろう。それを見越してかLISMOなどのサービスはアプリとして再編されだしているように思うが、それがAndroidマーケットでの楽曲販売やAmazonのDRMフリーサービスあるいはiTunesStoreなどとどこまで同じ土俵で戦えるかはまだ未知数だ。何しろLISMOなどはそのキャリアでしか使えないのだから。
それを防ぎたいのであるなら、如何にこれまでの端末・回線・サービスの不可分一体サービスをクラウドへのみに移行していけるかにすべてはかかっているのだと思う。
だが果たしてこれまでの既得権を守りたいだけのキャリアや業界がそれを理解できるか。成功体験に浸りすぎた業界が「イノベーションのジレンマ」を自力で克服できるだろうか。
もしかするとようやく理解できた時には、既に日本としてのメリットは何もないサービスばかりが日本国内を席巻した後かも知れない。
各キャリアから2010-2011冬春モデルの発表が出そろって、皆さんどれを買うかわくわくされていることと思います。
僕も例外ではないんですが、一つ特筆すべきはSH-03C/IS03/003SHといった同一メーカーの兄弟機が一斉に主要キャリアから発売されるということ。もしかしたらこれって史上初めてのことではないでしょうか(少なくとも今世紀以降では。2Gの頃にはあったのかも知れません)。
そもそも各キャリアは独自のサービスとハード的にも強く結びついた端末を出してくるというのがこれまでの建前であったわけですがそれが一部とは言え崩れ去ろうとしつつあります。
これはあまり喜ばしい理由によるとは思わないのですが、つまりは「ガラケースマフォ」を日本キャリアのためにわざわざ作ってくれるメーカーが国内にほとんど無くなってしまい特定のメーカー(ここではシャープ)に集中してしまったこと、Androidベースのスマフォであるためベースが同じにならざるを得ないこと、がその理由でしょう。
もしその端末が気に入っていれば今度はどのキャリアにするかが今後は大いに悩ませることになるかも知れません。
(その点国際機と言われるXperiaやGalaxyシリーズ、Desireシリーズなどはうまくキャリアの棲み分けが出来ているようです)
これは一見するとキャリア毎の端末の差異が無くなりつつあり逆に選び方が難しくなったと思えるかも知れません。
そこでここでは発表資料を中心にスペック面と保有コスト面を中心にキャリア毎に比較をしてみたいと思います。
これはあくまで SH-03C/IS03/003SHでの比較ですが、場合によってはこうした差異の無くなりつつある状況でのキャリア毎の戦略を表している、とも言えるかも知れません。
なお内容の正確さには配慮したつもりですが、事実誤認などありましたら指摘いただければ幸いです。
また高木さんが恐ろしい記事を上げている。
これまでも日本のケータイWEBの問題点は様々な人に数々挙げられてきたが、この記事の指摘は中でも最大のターニングポイントになるだろう。
ここまで破綻しているケータイID認証(簡単ログイン)
実はこの記事での指摘点には個人的にも言及したい点があるのだけど、ちょっと理由があるのでそれはまた後日にしたい。それは恐らくこの記事だけから受ける印象よりも実はこの問題はひどく根が深く影響は幅広いということだ。
日本のケータイWEBの有様は特徴的だ。特に技術的な立脚点によるものが大きいと思うが、それが「ガラパゴス」と呼ばれるゆえんであることはまず間違いない。特異な技術立脚点が海外や他キャリアとの互換性を蔑ろにし、独自な進化をせざるを得なかった(独自に進化したのではなく、せざるを得なかった点に注意)ということだ。
ではその「技術立脚点」とは何か。
僕は個人的には「パブリックなインターネットをインフラにしてクローズドなケータイ・ネットワークを作り上げること」を主眼にした点だと考えている。
以前モバツイで有名なえふしんさんがこんなことを言っていた。
http://twitter.com/fshin2000/status/9612891626
もろもろセキュリティのことまで考えると、携帯サイトはガラパゴス(国内で閉じてる)の方が良いんじゃないかなぁ。
個人的にも以前から感じていたことでほぼ同意である。
というか、そもそもケータイWEBネットワークはもともとここまでの興隆を予想して組み立てられていないのだと推察する。
以前挙げた日本のケータイWEB(モバイルEC)を脆弱に支えている三原則を再掲する。
(1) そのアクセスがそのキャリアの携帯網からのみであることをサービスプロバイダーが保証すること
(2) 携帯網では端末IDが偽装されていないことをキャリアが保証すること
(3) 端末の自由度を低くして端末IDの偽装などの可能性をできるだけ低く保つこと
これはつまり大前提として、ユーザーがこのケータイWEBに介入できるのはケータイ端末の「操作」までであって、自由な端末やアプリをケータイネットワークに接続することは想定していないということだ。
これは恐らくこういう事だったのではないだろうか。
そもそも一番最初にケータイWEBを企画する際にインターネットへの接続を行うことは当然MUSTだった。つまりインフラとしてはインターネットをそのまま利用すると言うことだ。またサービスプロバイダーを引きつけるためにはお金を生む仕組みを用意しなければならない。契約者固有IDのような課金通知の仕組みは必須である。
しかし当時セキュリティという観点ではPKIなどの完全なセキュリティ手法の導入には手間もかかり端末の性能も限られている。しかし何も行わなければインターネットという性質からはなりすましや情報漏洩はほぼ防げない。
そこで「簡単に」ケータイ側を「セキュアに」保つために先の三原則が考え出された。
つまり契約者固有IDを守るために「端末」「回線」「データ」をインターネット上からできるだけ切り離しその中にもう1つの「クローズド・ケータイネットワーク」とすることでこれら情報を守ろうという試みである。
IPアドレスでの制御であったり端末への独自アプリの禁止などといった稚拙な方法であり全くレベルは異なるが、「安直なVPN」とでも思えばいいのかも知れない。
当時今ほど日本は垂直統合モデルは強くなかったと記憶しているが、そのために端末仕様を強制したり一部のサービスプロバイダーを公式サイトと認めて契約者固有IDの取り扱いをキャリア支配に置くなど、必然的に垂直統合モデルが必然となった。
どうだろう。これは想像でしかない。しかし一定の説得力のある仮説にもなっていないだろうか。
しかし当然時代が変われば状況も変わる。高木氏が指摘したポイントも当時は想定されなかった技術的な変化故だし、またSIMフリー化の流れも微妙なプレッシャーを与えつつあるかも知れない。
ケータイWEBが変わったのではない。周りの環境が変わったのだ。一理ではだからこそケータイWEBはこのままでは変化は起こせないだろうとの諦めもある。一方で、まず間違いなくいつの日にか莫大な被害を及ぼしながら日本のケータイWEBビジネスが信用崩壊する危険性は日に日に高まっているとも言える。
だからこそえふしんさんの主張も説得力を持つことにもなる。
では現状ケータイWEBはどうあるべきなのか。
まず第一に契約者固有IDの送出先は各キャリアの認める公式サイトだけにすること。勝手サイト、すなわち「クローズド・ネットワーク」以外への送出は一切禁止とする。契約者固有IDのような「インターネット標準」ではないID送出を勝手サイトなど公式サイト以外に送出してはならない。
次に公式サイトはキャリアネットワーク(ゲートウェイ)とVPNなどのインターネット標準のセキュアな接続を行うことを必須とする。そしてこの場合のみ契約者固有IDを送出することにする。これは通信を秘匿する/通信先を限定するという意味もあるが契約者固有IDの送信先を各キャリアと限定的な「クローズド・ネットワーク」に閉じ込めてしまうという意味もある。これにより現行のあいまいなクローズド・ネットワークよりもより強固なクローズド・ネットワーク化により契約者固有IDは守られることになる。
第三に公式サイトはキャリアネットワークのVPN接続以外からの接続を受け付けてはならない。つまり通信は完全にクローズド・ネットワーク内に閉じ込めるようにする。
これらより詐称や偽装という問題は(データや処理を正しく取り扱える限り)ほぼ回避できるはずだ。
しかしこのままでは今より使い勝手が落ちユーザークレームももちろん増えるだろう。上記は現状の「ガラケー機」つまり契約者固有ID送出可能な従来の端末または携帯網用のアクセスポイント接続時に限ることにする。上記はすべてネットワークサイドのポリシー変更で可能なのでこれまでの端末はそのまま使用可能だ。
一方でスマートフォンに代表される、契約者固有IDに頼らない新しい認証や課金方式にWEB標準として対応可能な端末とアクセスポイントへの接続を共存させる。こちらは接続先には制限は設けなくてよい。何故なら純粋なインターネット利用端末に過ぎないからだ。そして時間をかけてこちらの方式への移行を促すことにする。
二方式を併存することは新方式への移行を促す期間のモラトリアムであると同時に、 自由競争を作り出す規範ともなるだろう。また明確なクローズド・ネットワークと位置付けることで、例えば未成年者用の端末はクローズド・ネットワーク対応のみとすることで例えば公式サイトしか接続できないような「キッズ・ケータイ」も可能になるかも知れない。
—
さて、これらのことは絵空事だろうか。全くの杞憂に過ぎないフィクションですむ話だろうか。
その答えは高木氏の指摘の行間に実は潜んでいると思っているが、その話はまた後日・・・(にできるといいなぁ。。)
前回の記事について。
不用意な不安を煽るのが目的ではないので(理解できている人はできていると思うのだけど)念のため追記しておく。
では今現在auのEZ番号について差し迫った脆弱性や危険性があるのかと言えばこれはNOだと信じている。
上記を実現するためには、auの携帯網に対してスマートフォン(に限らないけど)のように任意のアプリを作成して実行できる環境を用意する必要がある。しかしこれは少なくとも現在ではかなり敷居が高い。
まず携帯網とはつまり現在の「ガラケー」を接続しているアクセスポイントから接続されるキャリア内ネットワークである。アクセスポイントについては以前の記事を参照して欲しいが、現時点ではアクセスポイント名やユーザー名、パスワードなど接続に必要になる情報は公開されていない。つまり何らかの方法でこれを入手する必要があるが僕の知る限りまだこれら情報の流出はない。
スマートフォン網であれば近々提供されるIS-NETで公開されてある程度自由に使用できるのではと思うのだが、「ちゃんとセキュリティを考慮している」サービスプロバイダーでは携帯網からのアクセスのみを許可しこの場合のみEZ番号を使用するはずなので、携帯網に接続できなければいけないことになる。
また au環境で自由に接続可能なスマートフォンや携帯端末を入手するのも難儀だ。ご承知の通りauはCDMA2000という世界的にもマイナーな方式を採用しておりまた上がりと下りで海外とは逆の周波数帯を利用している。まさしくauオンリーワンな環境となっている。従って海外のCDMA2000に対応したSIMフリー機を買ってきてそのまま使えるわけでもない。最近発表されたAndroid/WindowsMobile機のISシリーズはシャープがau向けに独自に開発したのも恐らくこうした事情から海外調達が実質的に不可能だったためだろう。
その他、例えばBREWは公式アプリしか認められていない(勝手アプリが可能ならEZ番号を詐称するのも簡単になる)とか、SIMロックもユーザーロックと呼ばれるショップで登録しないと使用できない(勝手な端末を接続させない、端末とEZ番号の紐付けを厳密に行う)とか、EZ番号は初回接続時にゲートウェイからダウンロードして決定される(これも端末管理を厳密に行いたいためだろう)など、上記を補強するためであろう施策が見受けられる。
という状況があるので必ずしも切迫した状況が放置されているわけではないと思う。しかしその一方で当然にしてこれらのうち何かが偶然であろうと必然であろうと綻びた瞬間一瞬にして脆弱な状況が生まれ得ることも冷静に理解しておくべきである。
そもそも論として、ユーザーのセキュリティに関わる問題なのだから本来は「何故携帯網は安全なのか」「どのような状況においてどのようなリスクがあるのか」各キャリアは率先して消費者に対して説明すべきだ。それをNDAなどを振りかざして情報統制することで安全を守っていると思っているのなら、思い上がりも甚だしい。本当に安全だというのならきちんと論理立てて説明可能でなければ、常に脆弱性やリスクがつきまとっていると考えるのがセキュリティ上の基本である。
SIMロック解除論議もいいけど、こういう消費者保護のための説明責任こそ法律やガイドラインで強制すべき段階に来ているのではないかなあ。
Xperia発売やauの新スマート”ブック”(笑)発表の影響もあるのか、最近SIMロック論争がTwitterなどを中心に活発に行われている。
また明日総務省がSIMロックに関してキャリアやメーカー、消費者団体を招いてヒアリングを行うとのことなので、この話題はまだもう少し続くことになるだろう。
これら一連の議論で「SIMロック解除がガラパゴス状態を改善する」との簡単な論理には幾分不安を感じる。消費者からすれば重要なことは「キャリアのガラパゴス政策が緩和されて、現在国境やキャリア観で分断されているサービスや機能が水平分業的に解放される」ことだと思っているのだが、先のSoftbank松本氏や昨日行われたau説明会でのキャリア側の言い分からは、仮にSIMロックが解除されても(ロック完全禁止であろうと一部禁止であろうとも)キャリアの対応によって骨抜きにされてしまう可能性が高い。
キャリア側の言い分は、仮にSIMロックを解除してもそもそもiモードなどのサービスがキャリアごとに違うのでほとんど意味がない、というものだ。そしてこれは実はほぼ正しい。
先日書いたように端末ID(サブスクライバID、個体識別番号)の仕様もキャリア毎に異なるので恐らくサービスプロバイダーの対応も複雑になるだけであまりメリットが無く、そもそもSMSのキャリア間送受信もまだ行われておらずdocomoのようにそもそもMMSも持っていずiモードのように他社ではとても対応できないようなサービスを提供していたり、WAP(ブラウジング)のような国際標準に対応しない端末が大量に出回っていたり、SIMを抜いてしまうと端末自体が全く動作しなくなったり、はたまた例えば購入したコンテンツがSIMに紐付いているのにフォーマットが異なるので他社や他機器では再生できない、などなど。要するに「よもやSIMロックが解除される事態が来るとは思ってもいなかった」事態が多発することだろう。
もちろんこれは、「そうであればサービスを共通して使えるようにしろよ」という話でもあり、この10年囲い込みにしか情熱を燃やしてこなかったキャリア各社の怠慢であり責任としか言えないのだが、これを逆手にとって仮にSIMロックが解除されても「ほらサービスが使えなくなっただけでしょ。SIMロック解除なんて有害なだけだったでしょ」という開き直りとも言える施策を取る公算が大変高い。
つまりSIMロック解除という点だけに注力するとまんまとサービスの非互換性を逆手にとってSIMロック解除を骨抜きにしてくるだろうな、というのが僕の読みである。
であるならではサービスも共通化して解放せよ、というのがまっとうな意見ではあるのだが市場にこれだけ溢れているガラケーを考えると、単にそう主張するだけなのも実効的ではない。
そこで僕の意見は、SIMロック解除だけを主体にするのではなく(但し今後の端末を考えればこれも重要だ)、各キャリアのアクセスポイント(AP)解放要求を主体に置くべきではないかと考える。
恐らくこの「アクセスポイント」とは何のことか気付いている人は少ないと思うので少し説明しよう。
一言で言えばWiFiで言うところのSSDのようなものだと思えばいい。つまり端末が通信を行う上でアクセスするダイヤルアップ先のだ。
普段、特に日本ではほぼこれの存在に気付くことはまず無い。何故ならこれは日本特有の現象なのだが、日本ではキャリアがどんなアクセスポイントを用意して端末に利用させているか隠しているからだ。
例えば海外製のスマートフォン(以下ではWindows Mobileの例)では以下のように通話やブラウザ(WAP)またはMMS(メール)向け接続のためにどのアクセスポイントに接続するか設定する画面が用意されている。
(因みにSIMフリーのiPhoneなら同様の設定がある)


アクセスポイントであるので、通常そのアクセスポイント名とユーザー名/パスワードを設定することで利用が可能になる。
海外ではスマートフォンに限らず通常の携帯でもこうした設定は存在している。しかし日本の携帯ではそうした設定を見たことのある人はほとんどいないだろう。なので恐らくケータイ関係のライターでも知らない人は意外に多いと思う。何故か?それは携帯側で「決め打ちで」自動的に設定してしまっているからだ(あるいはSIMにその情報が書かれていて自動設定する場合もあるようだ)。
では何故日本のキャリアはアクセスポイントを隠すのか。実は明確な理由はキャリアからは公表されないので正式には分からない。しかしSIMロックと同じように、「自社の端末と回線の組み合わせだけを間違いなく利用者に使用させたいから」という意図であろうことは容易に想像できる。つまりガラパゴスと揶揄されるのと同じようなキャリアによる囲い込み施策の一環である。
以下のURLの資料を見て欲しい。これは各国におけるアクセスポイントの一覧だ。
海外キャリアではほぼ例外なくこれら自社アクセスポイントの情報を公開している。これはSIMロックを行っている国でも同様だ。つまりSIMロックでの議論で言われるように「世界的にはSIMロックを採用している国の方が多い」という話とは明確に異なる状況だ。日本のまさしく特異な「ガラパゴス状態」を端的に表している例だと言えるだろう。
またユーザー名/パスワードも同時に公開されており秘匿はされていない。資料を見ても分かるように、パスワードと言っても複雑な文字列を設定している例はほとんど無く実態的にはパスワードをかけていることに意味は無い。まさしく「公開」されているのである。
1つのキャリアでも複数のアクセスポイントを使い分けている場合もある。良くあるのはWAP(ブラウザ)とMMS(メール)が異なる場合や、プリペイドかポストペイドかや定額制と従量制の場合など契約形態毎にアクセスポイントを指定している場合などだ。
つまりキャリアからすると使用されたアクセスポイントによってユーザーの利用形態や課金単位を変えたり判別するのに使用していると思っていい。
一方日本ではどうかというと、公開されていないものの、一部アクセスポイントの存在が判明しており一部ユーザーにより情報が公開されてしまっている。
実は判明しているのは従前から海外とほぼ同じ仕様を使用しているSoftbank(旧Vodafone)だけなのだが、それによれば通常の携帯網用AP以外にXシリーズと呼ばれるスマートフォンの定額用AP(通称open)やiPhoneはまた別のAPを使用しているようだ。また従量制のAPについては設定がそもそも必要になるのでこれは公開されている。
docomoとauはガードが高いらしく、これまで携帯網用のAPは明らかになっていない。しかしスマートフォン用APは別に用意されているらしく、また例えばdocomoでは一部moperaと呼ばれる接続サービスでPCデータ通信用AP(スマートフォン用ではないことに注意)は公開している。
ではアクセスポイントが公開されることで何が変わり得るのか。
前提はアクセスポイント情報が公開された上で「契約ユーザーが自由に自身の携帯やスマートフォンを設定して利用するのを認める」という点だ。ここで各キャリアの端末に縛られず自由に他社端末であろうと接続できることがポイントになる。
これでも先に述べたように各社サービスの非互換性は担保されない。レイヤーが異なるからだ。しかし端末の自由化がSIMロック解除以上に進むため、よりバラエティに富む端末やサービスの流入を呼び込む可能性が非常に高い。 但しこれは従来の携帯網向けアクセスポイントを解放すべきという話ではない。恐らくそれでは個体識別番号の脆弱性が顕在化し、従来のビジネスへの影響が非常に高い。海外では個体識別番号というものは存在しないので携帯網も公開されているのだが(というかそもそも携帯網とスマートフォン系という違いが存在しない)、残念ながらこうした過去の負債があるので日本では行えないだろう。
しかし各社は既に主にスマートフォン向けのAPを構築しつつある。Softbankはopenと呼ばれるAPやiPhone用APを既に持っているし、docomoもmoperaというプロバイダー事業でスマートフォンAPを用意している。auはこれまで無かったはずだが先日のISシリーズの発表でIS-NETというプロバイダーを発表している。これは恐らくスマートフォン向けのAPを用意することになるはずだ。
そこでこれらスマートフォン用と同様のフリーアクセス(課金が、という意味ではない)アクセスポイントを別に準備してもらうこととする。
但し例えばdocomoなどは従量制のAPを差して「既に利用できる」と言い張るかも知れない。しかしこのAPは従量制であるので利用料金は青天井だ。そこで他にスマートフォンなどで定額制を導入しているのならば同様の金額による定額制の導入は義務化することとする。
こうすることで従来の携帯網(すなわち「ガラケー」)を中心にした垂直統合型ビジネスモデルと、新たなフリーアクセス・アクセスポイントおよびSIMフリー端末による新たなオープンモバイル網が共存し、新たな競争原理が導入されることになる。前者の担い手は従来通りキャリアであり、後者の場合キャリアは通信部分に専念することになり担い手は端末メーカーかも知れず課金や認証含めたサービスプロバイダーまたは海外勢含めた業界全体という立ち位置になる。
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残念ながら既存の「ガラケー・ビジネスモデル」はすぐに無くなるものでもなければ、また一気に無くしてしまうのは既に多くのユーザーを抱えている以上不要な混乱を起こすわけにもいかないだろう。また現状これ以上キャリアとしての競争相手が増えることも予想できず、カルテルとも言えるほど各社料金などが横並びの状態では大きな変化をキャリア自ら生み出すことは難しい。
しかし新たな競争軸を生み出すことは可能なのだ。そして自由度(端末やコンテンツ、価格の自由さと競争原理、参入の容易さ)が担保されれば必ずマーケットは動く。そして競争に晒されれば「ガラケー・ビジネスモデル」側も必然的に変化に迫られるはずだ。
まずはぜひこうした「アクセスポイント」という故意に隠された論点があることを知って欲しい。そしてそれは日本でのみ特異な扱い方をされている。
繰り返すが何故隠すかと言えば隠すことでそこから何らかのメリットを享受する人々が存在しているからだ。そうした視点を消費者としては手に入れるべきだ。
もう各所で話題沸騰中のVAIO type Pですが、Netbookという視点からは「SONYが品質に妥協しなかったらここまで出来た」という回答であり、スマートフォンなどのモバイルガジェットに対しては「PCベースでもここまで小さく高機能に出来るとスマートフォンより便利でしょ?」という回答でもあり、はたまたSONYの従来からのモバイル機種ファン(少なからず存在していると思います)に対しては「やっぱC1タイプが良かったみたいです。てへっ」という回答にそれぞれなっているところが素晴らしいです。
ポイントはここまで何でもありで重量700g程度で価格が高くても10万台半ばで押さえられていること。
SONYがどこまでNetbookを意識していたか分かりませんが、ベースモデルなら\79,800-という価格ならNetbookの「親玉」として十分機能するので、かなり売れるのではないでしょうか。
ちょっとだけ悲しかったのは、
ソニー、封筒サイズ・588gの薄型軽量モバイルPC「VAIO type P」発表
ソニー VAIO事業本部 PC事業部の赤羽良介氏は、「ダイレクトメールで使われる封筒と同じサイズ。type Uという小型PCがあったが、なかなかその市場を大きくすることはできなかった。ブログやSNSというコミュニケーションが増えていることを踏まえ、市場を拡大することができるのではないか」と自信を見せる。
超小型「VAIO type P」は「Netbookではない」 ソニーの狙いは (2/2)
VAIO Uは「熱狂的なファンに受け入れられた」が、キーボードが小さく、入力が難しいことなどから局地的な人気にとどまってきた。
ああ、やっぱ、type Uは際物だったのですね。。
で、実際僕が買うかどうかですが、もう二度とSONYは買うまいと心に誓っていたんですが、さすがに激しく揺れております。
とは言え他にも色々買うものあるしどうしようかな。
今日の10時から一般予約受付開始なんですよね。。。
# あ、ところで、OQOがひっそりと「「世界最小のWindows Vista PC」というのを出してます。
OQO、500グラムを切る「世界最小のVistaマシン」を発表
可哀想なので誰か触れてあげてください。。
iPhoneも随分と電車などで見かけるようになってきて、また少し浸透してきたのかなとも感じているんですが、ここに来て未だにdocomoでのiPhone待望論をちらほらと見かけることがあります。
但し僕個人としてはまず間違いなくdocomoはiPhoneを出さない、もしくは出せないだろうと確信している理由が一つあります。
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