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2012-12
13
23:00:40
全くもってオススメしない、日本通信の2年縛り実質0円LTEルーター付きパッケージ


今日の夕方になって、「日本通信(b-mobile)が発売している実質0円のLTE付きHappyキャンペーンパッケージがアマゾンおよびヨドバシでも発売を開始した」というニュースを見て、「これはマズい」と思いブログを書いてみる。

日本通信、月額2980円のLTEルーター+SIMのAmazon版/ヨドバシ版を発売

結論から言えば「あなたはこれに手を出すべきでは無い」という忠告だ。
つまり「このパッケージを買ったはいいが速度性能的に全く使い物にならず、クレームを付けてもキャンセルや話し合いをガンと拒否され、解約で端末割賦分3万2千円を『何も利用していないのに』請求されるであろう僕が通りますよー」ということである。
日本通信の酷い速度性能についてよく知っている方はこれを読む必要性は全く無い。
しかし「割と良いのでは無いかな」と一週間前の僕と同じことを考えてしまった人はぜひこの忠告を読んでみて欲しい。

 

この実質0円LTEルーター付きパッケージは「b-mobile月額定額2980円限定Happyパッケージ」という名称で販売されている。
月額2980円/LTE・3G対応/2Gまで利用可能というほぼ一般的なSIMパッケージだが、そこにb-mobile4G WiFi2というLTE対応Wi-Fiルーターを「実質0円」で付けているところが特徴である。
このルーターは定価32000円だが、1ヶ月目 1520円・2ヶ月目〜24ヶ月目 1360円の割賦でのみ販売し、かつ月額料金からこの割賦分と同額を差し引くことで、結果月額2980円で「24ヶ月使い続ければ」実質0円になるという謳い文句である。
この話だけなら特に悪くも無い。どころか、月額2980円でLTEが使えるのならまた2年と言わず常にデータ通信用SIMが欲しいなあと思っていたなら(まさに僕がそうなのだけど)非常に魅力的に映ることだろう。

そう、「2年間使い続けられる」ならば。

逆に言えば、2年も使い続けることがストレスにしかならない代物であったなら、即解約せざるを得ないなら、初期手数料はもちろんのこと、全く使わなかったとしても端末割賦代金一括3万2千円をドブに捨てることになるのである。
まさしくこの「b-mobile月額定額2980円限定Happyパッケージ」はそういう代物であった。

日本通信 データ専用SIMの速度計測結果

結論から示そう。
以下は今週初めに、問題が発覚してからエビデンスとして約一日張り付いて計測した結果である。

2012/12/10 19:00 2012/12/10 22:00 2012/12/11 1:00
Latency(ms) Download(Kbps) Upload(Kbps) Latency(ms) Download(Kbps) Upload(Kbps) Latency(ms) Download(Kbps) Upload(Kbps)
XTREAM SEED TEST 759 258 169 3583 671 153 307 120 49
SpeedTest HD 258 0 60 490 630 190 301 0 130
BNR Speed Test 381.35 500.71 299.54
2012/12/11 2:30 2012/12/11 8:00 2012/12/11 11:00
Latency(ms) Download(Kbps) Upload(Kbps) Latency(ms) Download(Kbps) Upload(Kbps) Latency(ms) Download(Kbps) Upload(Kbps)
XTREAM SEED TEST 3993 287 86 2740 1450 106 3128 517 84
SpeedTest HD 267 0 190 423 2520 320 268 0 190
BNR Speed Test 446.32 966.36 500.98
2012/12/11 13:00 2012/12/11 15:00 Avg
Latency(ms) Download(Kbps) Upload(Kbps) Latency(ms) Download(Kbps) Upload(Kbps) Latency(ms) Download(Kbps) Upload(Kbps)
XTREAM SEED TEST 3508 203 35 1842 383 94 2482.5 486.125 97
SpeedTest HD 489 0 60 342 630 320 354.75 472.5 182.5
BNR Speed Test 192.09 356.5 455.48125

計測場所は都内山手線にも近い某所(つまり僕の自宅なのだけど)、またLTEがまだ来ていないため。3G/HSDPAであったことには注意して欲しい。
テスト内容は、日本通信の4G WiFi2 ルーターにSIMを刺しiPhone5からWi-Fi接続を行い各種アプリ・サービス(XTREAM SPEED TESTSpeed Test HD(サーバーは東京)、BNR Speed Test)にて計測を行った。つまりこのパッケージにおいて日本通信が想定している利用方法そのままである。
実は先月いっぱいまで同じドコモのMVNOであるIIJmioのファミリーシェア1Gプランを利用していた。iPhone環境などが変化したため一旦解約したのだが、エビデンスとしては残していないので曖昧な書き方になるが、日中あるいは深夜でもまず1Mbpsを下回っていたことはなかった。平均的にはほぼ2-3Mbpsだっただろう。(同じく3G/HSDPA環境)
恐らくはドコモの純正SIMを利用されている方でも、山手線などの大きな駅近くでも無い限りは同じような速度を体験されているのでは無いかと思う。僕の友人間でもドコモ(MVNO含む)ではそれぐらいの体感が多いように思う。

しかしそれに対する日本通信での性能の低さは顕著だ。まずこれまで1Mbpsを大きく超えた経験がほとんど無い。
上記エビデンスでも1Mbpsを超えているのは、時間帯的にネットワークが最も空くとされる朝方のみである。しかもそれでも平均すると1.6Mbps程度なのだ。
特に気になった箇所は赤字で示しておいたが、ダウンロード速度が計測できなかった(0の箇所)、レイテンシィが何と数秒以上の箇所が多い。これはつまり内部ネットワークの軋轢がかなりあることの証左であろう。
また、よく月額980円程度で120Kbpsに制限しているデータ通信専用SIMというのもあるが、まさしく混んでいる時間帯にはその程度の速度しか出ていない。
僕自身の感覚的な話になるので詳しくは省くとしても、実際の利用(特に昼や夜間など「最も利用したい時に」)にかなりストレスを感じたことは容易に想像してもらえるのでは無いか。

日本通信の言い分

では日本通信はこうしたクレームについてどのように回答しているか。
何度かメールなどでやり取りしたが、まとめるとこういうことだ。

  •  (エビデンスを示した上で)これを日本通信としては正常であると判断するのか → ベストエフォートと謳っており瑕疵では無い。利用状況により通信品質が変動するとの前提にて全体としては正常かつ妥当な通信である。弊社サービスとしては通常品質でありユーザー様に不利・不公正とは考えていない
  • 最大速度のみ謳い(LTE 75Mbps/3G 14Mbps)こうした性能の実情を事前に示さないのは問題では無いか → 実際の通信速度での表記に関しては常に一定品質でなく利用場所や時間帯等の通信状況に左右されるため、かえって誤解を招くと考えている。そのため現状では通信速度制限を行なっていないものに関しては技術規格上の表示のみとしている
  • 瑕疵では無いのでキャンセルは出来ない。またあくまでも通信サービス契約と端末販売は別のものでありHappyパッケージは弊社指定の通信サービスをご利用いただいた場合の割引特典付き端末という商品という位置付けである。通信サービス自体の解約は解約料の発生も無く、この場合は割引特典は無効になり端末のみご購入いただいている状態と理解して欲しい

国民生活センターや総務省電気通信消費者相談センターは頼りになるか

「ベストエフォート」はやっかいだ。何故ならそこには「明確でデジタルな判断基準」が存在しないからだ。
一般論として「ベストエフォートを謳いつつ極端に性能が低い場合消費者への何らかの救済策があり得るか」、まず総務省に聞いたところ、そもそもガイドライン含めて実はベストエフォートという定義を打ち出したことは無い。あくまでこの文言は業界の慣例であるとのことだった。なので当然のことながら速度性能がどの程度であろうとベストエフォートを謳っている以上介入や指導は出来ないとのことであった。
国民生活センターでも「どこからなら問題か」数値を示せない以上お力にはなれないという回答であった。
つまりこうした問題に直面した場合、あなたを助けてくれる第三者機関や行政は存在しない。

MVNOの2年縛りには要注意

まあ2年に限らないのだけど、何故かここに来て、MVNO各社がWi-Fiルーターなどを絡めつつ2年継続前提のサービスを打ち出してきている。

下り最大37.5Mbpsの高速データ通信をオトクに使う!UIMカードが3枚使えるLTEが月額2930円~ 「BIGLOBE LTE」
*上記は2年以内の解約料9975円
ドコモの回線を利用した月額2880円のLTEサービス「OCN モバイル エントリー d LTE」が12月3日に登場へ
* モバイルルーターも申し込んだ場合2年以内の解約料9975円
ワイヤレスゲート、公衆無線LAN対応のLTE通信サービス
* 1年以内の解約料は38000円

これまでのMVNOのイメージで言うなら、初期手数料は3150円程度かかるにせよ途中解約金は無く、しかし気楽に止められる簡便さがあった。
語弊も込めて言うなら、たとえ性能などが悪くともリスクも低いので「安かろう悪かろう」が受け入れられやすい土壌があったと言える。
しかしここに来てそう単純では無くなりつつあるのかも知れない。

MNO(ドコモやKDDI、ソフトバンクなどの大手一次セーラー)なら上記のような酷い速度になってしまったらその影響範囲は数十万から数百万人に及ぶかも知れず、一度的では無く恒常的になれば総務省も重い腰を上げて指導に乗り出さざるを得ず、また有名な会社故に各社とも問題解決に躍起になってくれることだろう。しかしMVNOはそうではあるまい。言うなれば「玉石混交」だ。どこが良くて悪いのか使ってみるまでは分からず、それでも気軽に解約できるなら問題は無かったが、MNOの真似をし出して2年縛りなどを覚え出すと、こうした被害の影響はMNOに比べて極端に低いのでMVNO各社が無視を決め込めば、更に行政が何の救済もしないとなれば、消費者は言われるがままに無駄金を払って泣き寝入りするしか無い。

とは言え僕は日本通信とIIJmioの現時点での実情しか知らず上記の例がどうかは分からない。しかし「リスクの高い」○年縛りにはぜひ注意して欲しいと思う。

さてどうしようか

話を戻して。
日本通信は話し合いに応じるつもりは無いそうなので、残るは法的手段に訴えるしか僕には選択肢は無いのだが、これについては報告できるようならまたブログにでも書くことにしよう。
最後に、僕が最後のメールで日本通信に宛てて書いた内容を持ってこの稿は締めくくろう。

御社としては「全体としては正常かつ妥当な通信」であり「利用場所や時間帯等の通信状況に左右される」と、全体としての正当性を主張されたいようですが、実際の問題として重要なのは「ユーザー一人一人の体験」であり、そうした個々の事例が救済されないのは大変問題であると考えます。そうした個々の問題として「ベストエフォート」を免罪符にして問題の積極的な解決を図られないのは、企業として近いうちに必ず破滅を招くでしょう

まさに今、日本通信は2010年代の「Yahoo!BB ADSL」と化した。

2010-05
08
14:52:48
iPad 3Gは海外版+b-mobileの方がお得(かも)


聞いていたよりは二日も早くSoftbankからiPad発売の発表がされました。

日本ではソフトバンクモバイルが5月28日よりiPadを提供

んで最大の関心事だったSIMロックと各キャリアからのSIM提供については「SIMロック有り」との情報があり、もしこれが事実ならdocomoがiPad用microSIMを準備するとしても国内版ではキャリアはSoftbankしか選べないこととなります。
Softbankのサイトでは「データ無制限プランが月額2910円から」と謳っていますが、ここで冷静にコストを計算してみましょう。

まず価格一覧からは、本体価格が3G/16Gの場合割賦月額が2430円、24回払いですので総額58,320円となります。
次に月額利用料金は、ウェブ使用基本料 350円 + データ定額プランが4,410円で計4,760円です。ここから月月割1500円が24ヶ月に渡って差し引かれるので当初24ヶ月(恐らく2ヶ月目から24ヶ月)は月額2,910円となります。
つまり端末割賦と合算すると月額5,340円となります。また割賦と月月割を考えると約24ヶ月の「縛り」があるとも言えます。
別の言い方をするとiPad本体 58,320円に加えて月月割(24ヶ月縛り)込みなら2,910円がコストということになります。
なおプリペイドプラン(上限1G)も月額4,410円から用意されていますが月月割が適用されないのでこちらに価格競争力は無いと思っていいでしょうし敢えて選択する積極的な理由は通常無いでしょう。

さて問題はSIMロックがあるならばこのプランを選ぶしかない点なのですが、一方で既に一部で一般化しているように海外から個人輸入するという手もあります。
現状ではUSのアップルストアで誰か知り合いに買ってもらうか輸入代行業者を利用する必要があります。
USアップルストア直接なら3G/16G版で$629なので約55,000円。代行業者を利用する場合にはこれに10-15%程度手数料がかかるようです。すると60,000円-65,000円ぐらいではないでしょうか。
また6月以降となるようですが香港などでも発売が開始されると言うことでより手頃な価格で手に入ったり個人でも買いやすくなる可能性もあります。
更にこの海外SIMフリー版に日本通信(b-mobile)のSIMを使用する方法があり得ます。
そもそも日本通信はiPad用のmicroSIMを発売する予定は(まだ?)発表されていませんが社長の千田氏が「b-mobileのSIMでもiPadが動作した」とツイートされていましたので、誰も保証はしないものの、現状でもサイズカットするなどの方法でも動作する可能性があり、また近々何らかの対応を発表する可能性もあるでしょう。
問題は月額通信コストがSoftbankの場合の2,910円を下回るかどうかですが、b-mobile SIMは現在6ケ月利用で13,544円1年で27,088円で販売されており、 それぞれ月額では2,257円で利用可能です。
また実質縛りが6ケ月または一年と短いこともポイントです。

または、やはりdocomoが全く事情を無視してmicroSIMとデータプランだけを販売するというのも面白いシナリオですが、多分価格競争力は無いでしょうね。

こんな感じで、もしiPadを一年以上利用するのであれば(本体価格如何ではありますが)、海外版/SIMフリーを購入してb-mobile SIMで運用した方がお得な可能性が高いと考えています。
そもそもiPadは携帯電話と言うよりは単純なデータ通信端末ですのでキャリア乗り換えのスイッチングコストも低い方が有り難いわけで、また特に海外で現地のキャリアSIMを使いたいなどの場合は明らかにこちらの方がお得に思います。
あるいはiPadだけでなく他のPCなどとの利用も想定すれば、iPadはWi-Fi版にしておいて、データ通信はmifiのようなモバイルルーター+b-mobile SIMなどの組み合わせでもいいかも知れませんね。

なお追記しておくと、従来までであれば電波法により技適を通過していなかったり、していても技適マークが印刷されていない機器は国内での利用は違法だったのですが、最近総務省が省令を改正しスクリーンにソフトウェア的に技適マークが表示されればOKになったので。アップルが技適マークを表示するようにOSを変更すれば上記は問題なく利用できるようになるはずです。

ということで、Softbankはいつも通りに囲い込もうとしたと思うんですが純粋なデータ通信機器故に綻びもあって、プランや本体価格設定に失敗しているんじゃないかなあというのが個人的な感想です。
やっぱりもう既にSIMロックの囲い込みなんて、ボーダーレスな世の中では通用しにくくなっているわけですよ。

「でもすぐにでもiPad手に入れたいんだ」という層には別に無理に勧めませんが、多分そういう層はもう既に個人輸入とかしてるとも思うので (笑)、コストメリット面では流動的な点もあるので発売されるまでしばらくは様子見してじっくり自分なりの買い方を考えてみてもいいのではないでしょうか。