聞いていたよりは二日も早くSoftbankからiPad発売の発表がされました。
日本ではソフトバンクモバイルが5月28日よりiPadを提供
んで最大の関心事だったSIMロックと各キャリアからのSIM提供については「SIMロック有り」との情報があり、もしこれが事実ならdocomoがiPad用microSIMを準備するとしても国内版ではキャリアはSoftbankしか選べないこととなります。
Softbankのサイトでは「データ無制限プランが月額2910円から」と謳っていますが、ここで冷静にコストを計算してみましょう。
まず価格一覧からは、本体価格が3G/16Gの場合割賦月額が2430円、24回払いですので総額58,320円となります。
次に月額利用料金は、ウェブ使用基本料 350円 + データ定額プランが4,410円で計4,760円です。ここから月月割1500円が24ヶ月に渡って差し引かれるので当初24ヶ月(恐らく2ヶ月目から24ヶ月)は月額2,910円となります。
つまり端末割賦と合算すると月額5,340円となります。また割賦と月月割を考えると約24ヶ月の「縛り」があるとも言えます。
別の言い方をするとiPad本体 58,320円に加えて月月割(24ヶ月縛り)込みなら2,910円がコストということになります。
なおプリペイドプラン(上限1G)も月額4,410円から用意されていますが月月割が適用されないのでこちらに価格競争力は無いと思っていいでしょうし敢えて選択する積極的な理由は通常無いでしょう。
さて問題はSIMロックがあるならばこのプランを選ぶしかない点なのですが、一方で既に一部で一般化しているように海外から個人輸入するという手もあります。
現状ではUSのアップルストアで誰か知り合いに買ってもらうか輸入代行業者を利用する必要があります。
USアップルストア直接なら3G/16G版で$629なので約55,000円。代行業者を利用する場合にはこれに10-15%程度手数料がかかるようです。すると60,000円-65,000円ぐらいではないでしょうか。
また6月以降となるようですが香港などでも発売が開始されると言うことでより手頃な価格で手に入ったり個人でも買いやすくなる可能性もあります。
更にこの海外SIMフリー版に日本通信(b-mobile)のSIMを使用する方法があり得ます。
そもそも日本通信はiPad用のmicroSIMを発売する予定は(まだ?)発表されていませんが社長の千田氏が「b-mobileのSIMでもiPadが動作した」とツイートされていましたので、誰も保証はしないものの、現状でもサイズカットするなどの方法でも動作する可能性があり、また近々何らかの対応を発表する可能性もあるでしょう。
問題は月額通信コストがSoftbankの場合の2,910円を下回るかどうかですが、b-mobile SIMは現在6ケ月利用で13,544円、1年で27,088円で販売されており、 それぞれ月額では2,257円で利用可能です。
また実質縛りが6ケ月または一年と短いこともポイントです。
または、やはりdocomoが全く事情を無視してmicroSIMとデータプランだけを販売するというのも面白いシナリオですが、多分価格競争力は無いでしょうね。
こんな感じで、もしiPadを一年以上利用するのであれば(本体価格如何ではありますが)、海外版/SIMフリーを購入してb-mobile SIMで運用した方がお得な可能性が高いと考えています。
そもそもiPadは携帯電話と言うよりは単純なデータ通信端末ですのでキャリア乗り換えのスイッチングコストも低い方が有り難いわけで、また特に海外で現地のキャリアSIMを使いたいなどの場合は明らかにこちらの方がお得に思います。
あるいはiPadだけでなく他のPCなどとの利用も想定すれば、iPadはWi-Fi版にしておいて、データ通信はmifiのようなモバイルルーター+b-mobile SIMなどの組み合わせでもいいかも知れませんね。
なお追記しておくと、従来までであれば電波法により技適を通過していなかったり、していても技適マークが印刷されていない機器は国内での利用は違法だったのですが、最近総務省が省令を改正しスクリーンにソフトウェア的に技適マークが表示されればOKになったので。アップルが技適マークを表示するようにOSを変更すれば上記は問題なく利用できるようになるはずです。
ということで、Softbankはいつも通りに囲い込もうとしたと思うんですが純粋なデータ通信機器故に綻びもあって、プランや本体価格設定に失敗しているんじゃないかなあというのが個人的な感想です。
やっぱりもう既にSIMロックの囲い込みなんて、ボーダーレスな世の中では通用しにくくなっているわけですよ。
「でもすぐにでもiPad手に入れたいんだ」という層には別に無理に勧めませんが、多分そういう層はもう既に個人輸入とかしてるとも思うので (笑)、コストメリット面では流動的な点もあるので発売されるまでしばらくは様子見してじっくり自分なりの買い方を考えてみてもいいのではないでしょうか。