月別アーカイブ: 2010年5月

2010-05
31
00:58:41
ニコニコPodder R1.2.1をリリースしました


R1.1系列と同様に、恐らく5月中旬のニコニコ動画側の仕様変更により動作しなくなった点を中心に修正しています。今回はバグFIX版となっており機能追加はありません。
変更点は以下の通りです。

  • ニコニコ動画の仕様変更によりブラウザ認証統合に失敗して認証エラーになっていた問題を修正
  • ニコニコ動画の仕様変更によりカテゴリーが文字化けしていた問題を修正
  • ダウンロード時に「ダウンロード時に異常が発生しました[値を Null にすることはできません。パラメータ名: fileName]」というエラーが発生する場合があった問題を修正

気づくのが遅くなり申し訳ありませんでした。
何かありましたらコメント欄までお願いします。

2010-05
31
00:57:51
ニコニコPodder R1.1.19をリリースしました


コメントで頂きましたように恐らく5月中旬のニコニコ動画側の仕様変更により動作しなくなった点を中心に修正しました。
変更点は以下の通りです。

  • ニコニコ動画の仕様変更によりブラウザ認証統合に失敗して認証エラーになっていた問題を修正
  • ニコニコ動画の仕様変更によりカテゴリーが文字化けしていた問題を修正
  • ダウンロード時に「ダウンロード時に異常が発生しました[値を Null にすることはできません。パラメータ名: fileName]」というエラーが発生する場合があった問題を修正
  • 32bit環境などで64bit版を間違って動作させるとnicoPodder.iniが消えてしまう問題を修正

気づくのが遅くなり申し訳ありませんでした。
何かありましたらコメント欄までお願いします。

2010-05
23
13:08:37
「ガラパゴス・ケータイ」と呼ばせたくない人々


時々このネタがTwitterのTLで流れてくるので。
よくスマートフォンに対して、「ガラパゴス・ケータイ」「ガラケー」と従来の日本のケータイを呼ぶべきではない、と主張する人たちに出くわすことがある。曰くその理由は「従来の日本ケータイへの蔑視だ」「語源のガラパゴスは単なる地名なので言葉として相応しくない、失礼だ」などというものだ。
しかしそうした主張に違和感を僕は感じるしそうした人々は本質論が得てして出来ていない。

「ガラパゴス」という言葉がささやかれ出したのはいつ頃からだったか。
僕もはっきりした記憶は無いが恐らく使われ出したのは三年ほど前からだったのではないか。
これもはっきりしないが、僕自身の感触では当時海外製携帯電話を国内に持ち込んで好き好きに弄っていたユーザー層が自分たちで持ち込んだ携帯を様々な制限で自由に利用させない日本の携帯環境と、かなり自由度の高い海外の環境の差にあきれて、外界と途絶したという意味で「ガラパゴス」と呼び出したのが最初ではなかったか。
元々そこには「日本国内で独自に異常進化した」といういい意味は含んでいなかったような気がするが、それは他の人々が語源の意味や「日本の携帯の進化具合は素晴らしい」と考える人々によって 後から追加されたように思う。

「ガラパゴス・ケータイ」や「ガラケー」はそういう意味では自国環境を憂いた自虐的な「蔑称」であろう。しかし何故それを使ってはいけないのか、自己規制・自粛しなければならないのか、さっぱり分からない。
何故ならそれほどまでに日本の携帯環境は非難され問題化されなければならない点を含んでいるからだ。

垂直統合モデルによる業界ぐるみのカルテルとも言える仕組みは競合他社を結果的に排除し競合の参入を阻んでいる。キャリア各社はこうしたモデルの崩壊を恐れ、結果的に自由度が低く競争が発生せず消費者に不便を強いている。
契約者識別IDに代表されるようなセキュリティやプライバシー問題の存在もある。10年の昔の時代遅れの技術が未だに購買モデルという重大な箇所に使用され続け、問題点や脆弱性を常に指摘されながらキャリア各社は頬被りをして問題解決のそぶりさえ見せない。
強制的なSIMロックやアクセスポイントを意識的に隠蔽しユーザーに自由に端末を使わせず全ての利用を自分たちの管理下に置きユーザーの利用の自由を阻害する。
など。

「ガラパゴス・ケータイ」や「ガラケー」とはこうした問題点を明確に言い表すための素晴らしい「発明」であったと今となっては感じている。まさしく如何に日本は多くの海外事情に比べて「異質で消費者を馬鹿にしているか」を示す名ワードである。
そういう思いがあるから僕は 「ガラパゴス・ケータイ」「ガラケー」を積極的に使う立場だ。

一方で「ガラパゴス・ケータイ」や「ガラケー」を使うべきでない、と訴える人々は上記をどう捉えているのだろう。
僕には知る由もないが、仮に問題点を理解せずに「蔑称は使うべきではない」という耳障りのいい話に流されているのだとしたら、ぜひ上記の問題に触れて自分でどうあるべきかもう一度考えてみて欲しい。
ガラパゴスと呼ばれる垂直統合モデルがどんな問題を引き起こしているか、拙作で恐縮だが以前こんなエントリーを上げたことがある。問題の一部かも知れないが概要は理解できるはずだ。
契約者識別IDは利用者のプライバシーを蔑ろにし今日では全く歓迎できるものではないが未だに日本の携帯業界は採用を続けている。海外ではこのような方式はほぼ採用しておらずまさしくガラパゴスな好例である。問題点については(技術的な部分が多いが)高木浩光氏の有名なエントリーに詳しい。
SIMロックやアクセスポイントの問題については数多くの問題点を指摘したエントリーがネット上にはあるので検索して欲しいが、拙作ではアクセスポイントについてこのようなエントリーを上げたことがある。

問題は上記を知りつつそれを隠し、本質を見せないようにしつつ言葉狩りに走っている人々だ。
それが誰なのか、とは言わない。しかし昨今の議論の中ではこうした問題点には全く触れずただ言葉狩りを訴えているだけに見える人も多くみかける。
それがキャリアやメーカーの人間であればある程度の理解は出来る。自分たちの立場も踏まえた上での発言であれば、ある程度のポジショントークもやむを得ない面はあるだろう(それでも健全に素直な議論をお願いしたいものだが)。
しかし一部のライターと呼ばれたり自称”ジャーナリスト”な人々についてはどうだろう。
上記のような論点を知らないのだとすれば全く持って勉強不足だし、キャリアやメーカーにおもねて「言葉狩り」に走るのだとしたら論外だ。

我々消費者としては言葉狩りに惑わされる必要はない。言葉は生き物だしここまで広まった言葉を否定する必要もない。「それが失礼だ」というのなら、何が何に対して失礼なのだろうか。消費者がキャリアやメーカーに何を気を遣う必然性があるのか。消費者とは独善的なまでに消費のための要求を行うべきなのだ。
それよりもぜひ気を付けて欲しい。本質に気付かれたくない人たちは常にいつの時代でもこうした些細な問題に目を向けさせ本質論を阻もうとすることに。
小さな問題に気を取られてより大きな問題を見誤ってはいけないことに。

2010-05
08
14:52:48
iPad 3Gは海外版+b-mobileの方がお得(かも)


聞いていたよりは二日も早くSoftbankからiPad発売の発表がされました。

日本ではソフトバンクモバイルが5月28日よりiPadを提供

んで最大の関心事だったSIMロックと各キャリアからのSIM提供については「SIMロック有り」との情報があり、もしこれが事実ならdocomoがiPad用microSIMを準備するとしても国内版ではキャリアはSoftbankしか選べないこととなります。
Softbankのサイトでは「データ無制限プランが月額2910円から」と謳っていますが、ここで冷静にコストを計算してみましょう。

まず価格一覧からは、本体価格が3G/16Gの場合割賦月額が2430円、24回払いですので総額58,320円となります。
次に月額利用料金は、ウェブ使用基本料 350円 + データ定額プランが4,410円で計4,760円です。ここから月月割1500円が24ヶ月に渡って差し引かれるので当初24ヶ月(恐らく2ヶ月目から24ヶ月)は月額2,910円となります。
つまり端末割賦と合算すると月額5,340円となります。また割賦と月月割を考えると約24ヶ月の「縛り」があるとも言えます。
別の言い方をするとiPad本体 58,320円に加えて月月割(24ヶ月縛り)込みなら2,910円がコストということになります。
なおプリペイドプラン(上限1G)も月額4,410円から用意されていますが月月割が適用されないのでこちらに価格競争力は無いと思っていいでしょうし敢えて選択する積極的な理由は通常無いでしょう。

さて問題はSIMロックがあるならばこのプランを選ぶしかない点なのですが、一方で既に一部で一般化しているように海外から個人輸入するという手もあります。
現状ではUSのアップルストアで誰か知り合いに買ってもらうか輸入代行業者を利用する必要があります。
USアップルストア直接なら3G/16G版で$629なので約55,000円。代行業者を利用する場合にはこれに10-15%程度手数料がかかるようです。すると60,000円-65,000円ぐらいではないでしょうか。
また6月以降となるようですが香港などでも発売が開始されると言うことでより手頃な価格で手に入ったり個人でも買いやすくなる可能性もあります。
更にこの海外SIMフリー版に日本通信(b-mobile)のSIMを使用する方法があり得ます。
そもそも日本通信はiPad用のmicroSIMを発売する予定は(まだ?)発表されていませんが社長の千田氏が「b-mobileのSIMでもiPadが動作した」とツイートされていましたので、誰も保証はしないものの、現状でもサイズカットするなどの方法でも動作する可能性があり、また近々何らかの対応を発表する可能性もあるでしょう。
問題は月額通信コストがSoftbankの場合の2,910円を下回るかどうかですが、b-mobile SIMは現在6ケ月利用で13,544円1年で27,088円で販売されており、 それぞれ月額では2,257円で利用可能です。
また実質縛りが6ケ月または一年と短いこともポイントです。

または、やはりdocomoが全く事情を無視してmicroSIMとデータプランだけを販売するというのも面白いシナリオですが、多分価格競争力は無いでしょうね。

こんな感じで、もしiPadを一年以上利用するのであれば(本体価格如何ではありますが)、海外版/SIMフリーを購入してb-mobile SIMで運用した方がお得な可能性が高いと考えています。
そもそもiPadは携帯電話と言うよりは単純なデータ通信端末ですのでキャリア乗り換えのスイッチングコストも低い方が有り難いわけで、また特に海外で現地のキャリアSIMを使いたいなどの場合は明らかにこちらの方がお得に思います。
あるいはiPadだけでなく他のPCなどとの利用も想定すれば、iPadはWi-Fi版にしておいて、データ通信はmifiのようなモバイルルーター+b-mobile SIMなどの組み合わせでもいいかも知れませんね。

なお追記しておくと、従来までであれば電波法により技適を通過していなかったり、していても技適マークが印刷されていない機器は国内での利用は違法だったのですが、最近総務省が省令を改正しスクリーンにソフトウェア的に技適マークが表示されればOKになったので。アップルが技適マークを表示するようにOSを変更すれば上記は問題なく利用できるようになるはずです。

ということで、Softbankはいつも通りに囲い込もうとしたと思うんですが純粋なデータ通信機器故に綻びもあって、プランや本体価格設定に失敗しているんじゃないかなあというのが個人的な感想です。
やっぱりもう既にSIMロックの囲い込みなんて、ボーダーレスな世の中では通用しにくくなっているわけですよ。

「でもすぐにでもiPad手に入れたいんだ」という層には別に無理に勧めませんが、多分そういう層はもう既に個人輸入とかしてるとも思うので (笑)、コストメリット面では流動的な点もあるので発売されるまでしばらくは様子見してじっくり自分なりの買い方を考えてみてもいいのではないでしょうか。