2011-11
10
09:28:59
日本のパケット通信料(単価)が馬鹿高すぎる件


先日、auのiPhoneで店側がデータ定額(ISフラット)を契約時に付け忘れとてつもない額が請求されてきたという話があった。その額なんと395万9160円。

auのiPhoneにしたらパケ代400万円も請求された!

その後交渉によりISフラットと同額の4980円になったようだが、たった一ヶ月にも満たない期間で(しかも恐らくは通常の利用で)400万にも達する料金体系にも驚きだし、そもそもそれだけの利用料金が定額サービスに加入するだけで5000円程度になってしまう仕組みにも驚きだ。

何故このようなことが起こりえるのかと言えば単純に「日本のキャリアでのパケット通信料=パケット単価は恐ろしく高い」からだ。それが問題にならないのは単にパケット定額サービスを別に設けてユーザーにはほぼ例外なく加入させているからだけに過ぎない。
では果たして海外と比べてどれぐらいの内外格差があるのか?というのが本稿の趣旨だ。

日本での例 – ドコモでの例

ではまず日本でどのぐらいの通信量で幾らぐらいなのか。なお勿論日常的には幾ら使っても上限額のあるパケット定額(ドコモではパケホーダイ/FOMAデータ定額、auならISフラットなど)を利用するのが常と思うが、ここではこれらパケット定額サービスを利用していない従量制での通信料、または所謂二段階制パケット定額(正確には上限制)でのパケット単価を比較してみる。

以下のようなドコモの場合でのパケット定額プランを二つほど見てみよう。

パケ・ホーダイ ダブル2とは(iモード)
パケ・ホーダイ シンプルとは(iモード)

パケホーダイ ダブル2は下限2100円〜4410円(iモードの場合。スマートフォンは5985円)の二段階制、シンプルは0円〜4410円(iモードの場合。スマートフォンは5980円)のスライド制だ。
ここで上限に達するまでのパケット通信料はダブル2で1パケット=0.0525円、シンプルの場合は1パケット=0.084円とされている。
この「パケット」という概念が日本独特で、そもそもぴんと来る利用者はほとんどいないだろう。1パケット=128バイトであり、では1Mバイト利用すると幾らになるかと言えば1MBは8192パケットであるので、ダブル2では8192 x 0.0525円 = 430円、シンプルでは8192 x 0.084円 = 688円となる。

パケット定額でのスライド従量制の他、完全従量制での通信料金も設定されている。つまりパケット定額に入らなかった場合だ。

ベーシックプラン

なんと、1パケット=0.21円する。つまり1MBでは1720円である。
これら430円や688円または1720円がどれほどの額なのか。それには自分が普段一ヶ月でどれぐらいのデータを通信しているか考えてみるといい。
とは言ってもほとんどの人はその量を知らないだろう。 それはデータ定額を契約しているため知る必要が無いからだ。
僕の例になるが、例えばiPhoneだが一ヶ月でおよそ500Mほど通信していることが多い。とすると、その額は21万5000円〜86万円となる。先の例には遠く及ばないがそれでもかなり高いことは感じ取ってもらえるだろう。
しかもそれがただパケット定額というサービスに加入するだけでせいぜい5985円(SBのiPhoneだと4410円)になってしまうのである。これまたかなり異常な料金体系であることは感じてもらえるのでは無いか。

海外での例 – タイ・香港・米国

では海外と比較した場合にはどうか。
まずはタイのAISの例だ。

http://www.ais.co.th/12call/en/simcard-one2call-netsim-3G.html

これは3Gの定額パッケージでの例だが、そもそも500MB/月の利用で150バーツ(約375円)というのも驚きだが、この上限を超えた場合も1MB = 2バーツ(約5円)で利用できる。つまり日本の1/86〜1/344だ。

タイはもちろん物価はそれだけ安いのかも知れない。では次に日本と比べてもさほど遜色ないと思われる香港を見てみよう。
下記は3(Three)香港の3G/HSDPAでの例だ。

http://www.three.com.hk/website/appmanager/three/home?_nfpb=true&_pageLabel=P200470391219567710594&lang=eng&pageid=615002

月額上限は328HK$(約3600円)、上限までは1MB = 2HK$だ。約20円である。やはり日本の1/21〜1/86である。
同時にここで強調しておきたいのは上限に達するまで114MBも使用できる点だ。
実はドコモでの所謂二段階制(例えばパケホーダイ ダブル2)の場合、たったの10MBで上限の5985円に達してしまう。これが日本の二段階制パケット定額が意味が無いと言われる所以だ。
3香港であれば100MBも上限まで余裕があるのでセーブして使えばかなりの確立で上限に達すること無く利用可能だろう。

最後に米国AT&Tも見ておこう。
AT&Tではデータ定額が廃止になりデータの上限が付けられたが、実はそれでも日本よりもかなり安い。

http://www.att.com/shop/wireless/plans/data-plans.jsp

上記はパケット通信だけのプランだが、例えば月2GBで$25となっており、この上限を超えても1GB=$10で追加できる。
つまりパケット単価では1MB = $0.0098、なんと約0.75円、1/573〜1/2293である。

どうだろう。各国の事情もかなり異なるので一概には言えない部分も多いが、しかしどの国でも1MB=数円から数十円がせいぜいだ。なんと最大2293倍、1720円も取ろうという日本は如何に異常か、感じ取ってもらえるだろうか。

 競争環境の欠如と事実を知らされない消費者

何故日本でだけこのような料金体系が成り立つのか。
僕の記憶が正しければ、実はこの10年各社ともパケット単価の見直しをほぼしていないからだ。
パケット単価は先に見たように1パケット=0.21円というのが従量制での価格だが、これはこの10年あまりほぼ変わっていないはずだ。 つまりiモード誕生の頃から何も見直しがされておらず、ただパケット定額が導入され、消費者にはそれへの加入が実質上強制され他の選択肢も無く、放置されているのである。
しかもこの価格体系は意味の無い二段階制もパケット単価も各社ほとんど変わらない。体のいい横並びカルテルと化しているのである。

すなわち、重要な点はこれらパケット単価には原価が正しく反映されていないはずだ。つまり完全なキャリアの言い値なのである。非常に公共的な側面を色濃く持つべき通信事業者としては、東電もびっくりの料金体系だと言えるだろう。

もし「日本はケータイ先進国であり価格も非常に安く設定されている」と主張する人がいたら疑った方がいい。上記で見たように決して日本は安いどころか他国の百倍の価格で売りつけているキャリアが支配する国だし、しかも横並びで競争原理も働いていない。何しろ10年間価格を見直さなくても成り立つ殿様商売がまかり通っているのだから。

我々消費者が何ができるかと言えば、まずはこうした馬鹿げた実態を知ることだ。その上でこそキャリアに根拠のある文句も言えるだろうし議論も成り立つようになるだろう。
そして価格に疑問を持ったらぜひキャリアに「何故横並びなのか」各自が聞いてみて欲しい。そうした行動一つ一つが次第にキャリアに対するプレッシャーになっていくはずだ。

 

追記:
1999年当時、iモード登場時のパケット単価は0.3円(恐らく税抜き)だった模様だ。そこから12年経ちネットは数十倍、数百倍に成長したにも関わらず、パケット単価は2/3の0.2円になったに過ぎない。これが欺瞞で無くて何なのか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990125/docomo.htm

日本のパケット通信料(単価)が馬鹿高すぎる件」への5件のフィードバック

  1. 今月の請求が九万近く取られる、ギガも、減らしたのになんでこんなに高いの先月は六万円でした。どうしてでしょうか?

  2. 私は、3日前に日本に帰国し、定額を止めて最低料金にしていたところ、72時間も経たないのに、ツイッターはこの3日に一度も使っていないのに、待機していただけで20MBくらい消費、その他合計127MB消費(自分がこの3日で使ったアプリの合計は6MBくらい)していて、6万円弱を請求されました。交渉の結果、定額制を3日前から適用してくれました。

    定額でないユーザーに対して、あまりにぼったくりすぎです。

  3. DoCoMoショップへ行ったときやDoCoMoの関係者と会うたびに必ず話題にします。

    パケホーダイダブルで上限額にギリギリ達した人とそれ以上にメチャクチャ使った人ではパケット単価が何百倍も違う。
    一般的に買い物する場合、1個でも500個でも値段が同じなんてあり得ない。

    元々パケホーダイフラットよりも上限額が高いのだから、5GBまで基本料金からリニアに上がって行く料金にすればいいんです。
    結局パケホーダイダブルでちょっと使っちゃった人と、フラットで利用量の少ない人が損してる。

    パケホーダイダブルの説明も動画を数回見るだけで上限に・・みたいな書き方があるけど1回も見ないうちに上限に達してしまうのが普通です。
    こんな悪徳商法まがいな説明もいっこうに改善する気が無い。

    どこの通信会社も横並びに近い料金体系で、製造業で云ったらカルテルと同じでしょう。
    何で行政が介入しないのか不思議です。

    だいたい、通信会社のパンフレットにある説明なんて他業界でやったらあっという間に叩かれるような利用者にわかりづらくて不利な決まりが多すぎです。

    DoCoMoの相談窓口でいくら言っても、意見を上げますとか言うだけでまったく改善されないことが私だけでも数十件はある。

    DoCoMoショップの店員でも本社のこういったやり方に不満を持っている人は多い。
    (直接対応するのは自分たちなのに、上が動かないといつまでも不満を聞かされるから)

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