HTC Universal(Qtek9000)でタイのAISプリペイドSIMを使ってみる 第二回です。
前回に続いて、GPRSとメールに使ってみます。
■GPRS
意外に何ら問題なく使えてしまいます。
設定方法ですが、
①[Setting]-[Connections]からMY ISPで[Add a new modem connection]を選びます。
②以下を設定します。
Access Point Name: internet
User Name: (空白)
Password: (空白)
[Manage exising connections]からデフォルトにしておきましょう。
これで他の回線接続時と同じように自動接続して使えるようになります。
以上はタイで使う場合でも全く同じようです。
但し、ほんの1、2分使って残高を見てみたら、14-5バーツも取られてました。こちらを見る限り、1Kで約2円。パケ死コースですね(^^;
あまり使う気にはならないかも知れませんが、ひょっとするともっといいオプションなどがあるのかも知れません。
■メール
SMSは何ら問題はありません。そもそもローミングが開通したとたんにSMSが届いていますから。
また国内携帯などへの送信も可能で、日本語も問題なく通ります(これは文字コードがUnicodeベースのためらしいです)。
でも一通29バーツ(日本向けの場合)なので、高いですね・・。
因みに相手先番号は+81など国番号から始めた国際電話番号となります。
MMSのためには、多少設定が必要です。GPRSとは別にMMSネットワークへ接続するネットワークを作ってやらなければなりません。
①まずMMSのためのconnectionを作成します。
[Setting]-[Connections]から[Advanced]タブを選びます。[Select Networks]ボタンを押します。
②[Network Managements]の画面になりますので、[New]を押して新しいネットワークを作成します。
ネットワーク名には「AIS MMS」などの分かり易い名前を付けておきましょう。
③[modem]タブを開いて[New]ボタンを押してこのネットワークに含む新しいConnectonを作成します。
以下の設定で作成します。Access Point Name: multimedia
User Name: (空白)
Password: (空白)
最後に②の画面でデフォルトを[My ISP]などに戻しておきましょう。このままだとデフォルトでダイヤルアップする先が変わってしまいますので。
④メールを開いてメニューから[MMS Configration]を開きます。
[Servers]タブから[New]ボタンを押します。
⑤新規のMMSサーバーを設定します。
以下のように設定して下さい。
特に[Connect via]には先ほど作成したネットワークを設定して下さい。
最後に④の画面で作成したサーバー(例えば「AIS MMS Proxy」)をデフォルトにします。
以上で、設定は終わりです。
この状態でインターネットアドレスへメール送信をすると、自動的に上記の「AIS MMS」ネットワークへの接続が行われ、送信が終わると接続は自動的に切断されます。なかなか優秀です。
以下はインターネットメール側で受け取ったメールです。タイトルが化けていますが、これはUTF8でエンコードされているためです。使用しているBecky!はUTF8に対応していないため化けるのですが、Outlook ExpressなどUTF8に対応したメーラーなら問題なく表示されます。
本文は通常のテキストに見えますが、実際にはUTF8テキストの添付メール(multipart/mixed)として受信しています。これもUTF8に対応したメーラーであれば特に問題なく受信できるでしょう。
問題は送信です。実は送信はデフォルトでは行えません。
インターネットメールからメールを送信すると、送信者は次のようなメールを受け取ります。
どうやらE-Mail2MMSというサービスに申し込まないとインターネット側からの受信は行えないようです。
タイにいればAISのサービスセンターなどで申し込めるのでしょうが、日本ではそれは出来ません。そこでやはりここでもメールで申し込んでみます。
以下のようなメールでAISのサービス向けにメールしてみます。電話番号などは適当に変更して下さい。
To: callcenter@ais.co.th
Subject: request for E-Mail 2 MMS registration.
Hello.
I’d like to regist E-Mail 2 MMS Service.
My call number : 0X-XXX-XXXX (One-2-Call SIM) ← 電話番号
My Cellular phone: i-mate JasJar(same as Dopod900) ←本当はQtek9000ですがタイでは売っていないので、このようにしてみました
The last topped up date: 200X-XX-XX ←最後にリフィルした日付
The last topped up amount: XXXB ←リフィルした金額
The topped up method: Scratch Card ←リフィルした方法。他にATMなど。
Sincely yours.
僕の場合は1日程度で「開通した」とのメールとSMSが届いていました。
なおE-Mail2MMSサービスは30バーツ/月の有料サービスです。
あらためてメールを送信すると、今度は届きました。MMSなのでヘッダーがまず届き、次にディテールを受信するために「AIS MMS」ネットワークへの接続が開始されます。やはり受信できると自動的に切断されます。
添付ファイルなども含めて受信可能でしたが、何故かタイトルは「No Subject」になってしまいました。
また本文中の日本語は残念ながら全て化けていました。
実はどうも化け方からはUTF8なら正しくエンコードしそうではあります。そこで送信時にUTF8にエンコードして送ってみたのですが、そのメールが待てど暮らせど届きません。
何度か試して分かったのですが、どうやらAIS側のメールサーバーは8ビットメールは破棄してしまう仕様のようでした。ISO-2022-JPなど7ビットセーフなメールなら大丈夫です。近年では珍しいのですが、確かにRFC的には決して間違っていない動作です。
ということで残念ですが日本語でメールを送るのは断念しました。
■Docomo網では使えるの?
使えます。
[Setting]-[Phone]-[Network]タブから[Network Selection]を[Manual(手動)]に変更します。するとネットワークのスキャニングが行われるので、その後現れた「UMTS 44010」(Docomo)を選べばよいです。若しくは、環境によっては自動でもDocomoになっているかも知れません。
機能的にもどちらも差異はありません。
ローミング料金を比較しても差異は無いようなので、vodafone網と比べる意味はあまり無いかも。
またうちでは接続可能でしたが、基地局の問題で、場所によっては使えないかも知れません。
■まとめ
割と苦労する部分も多いですが、結果的にはほとんどの機能はローミング環境でもまともに動きました。恐らくこれは当然タイに滞在していても同じように使えるはずで、そういう点ではよいシミュレーションでした。
タイにいる場合とほとんど変わらず、かつ設定変更もほぼ無くても使えそうということでは、優秀なローミング環境と言えるでしょう。
残念なのはMMSで日本語エンコードがまともに動いてくれないことと、またやはりローミング料金がバカ高いということでしょうか。
これらが無ければ、例えばUniversalで使用するSIMとしてはvodafoneも凌駕するはずなんですが。
当然と言うか、日本国内で使用するには現実的ではありませんが、タイ滞在時には上記のような設定で一通り使えるためのシミュレーションとして捉えてもらえればと思います。