故あって香港滞在中だったりします。
てか単に休暇なんですけどね。
香港に来た旅行者がまず目にするのがオクトパスと呼ばれるプリペイド型電子マネーの浸透ぶりではないでしょうか。
いわゆる先払い型の交通系ICカードなんですが歴史は古く、香港返還時からの登場と言いますからもう10年になるんですね。
中身は日本のSUICAなどと同じソニーのFelicaなのだそうですが、アプリケーションの互換性はありません。
香港での電子マネーはこのオクトパス一種類しかないんですが、浸透ぶりは日本の比ではありません。
元々交通系だったのでバスやMTR(地下鉄)は当然として、コンビニ、小型商店、とても近代的とは言いがたい二階建てトラムでも普通に使えます。
ビクトリアピークにつながっているピークトラムという登山鉄道でもオクトパス払いは優先されますし、各種アトクラクションでも当たり前のように読み取り機が設置されてたりします。
下の写真は九龍公園のボロ目の自販機ですがしっかりオクトパスカード対応になってました。
オレンジ色の四角いマークがオクトパスカードのセンサーです。
ここだけでなく、香港では数少ない自販機でも対応のものが多かったです。
びっくりしたのは下の写真。
なんとビクトリアピークの望遠鏡までオクトパス対応です。
ちょっと日本では考えにくいですね。
使えなくて不便なのはタクシーぐらいでしょうか。これは多分タクシーは個人経営が多いらしいので、設備投資がしにくいんでしょうね。
大きめの商店ではあまり対応していませんが、これはオクトパスが少額決済用だからでしょう。そういうところではクレジットカードがほぼ使えるのでほぼ問題になりません。
香港に数日滞在すると分かりますが、本当に小銭が必要ないのは日本以上です。
日本でもお財布ケータイがかなり浸透してきたと思いますが、それでも香港ほどの浸透度とも思いません。また香港の浸透ぶりを見ると、とにかく対応できそうなところは軒並み対応しようとしているのが、日本との違いを感じさせます。
この差異は何故でしょう。
一点思いつくのは日本は事業者が多すぎるということなのでしょう。
SUICAに始まり、nanacoにEddy、iD(はクレジットカード決済ですが)などなど、これだけ数多いと何にどう対応するかはリスクになります。
香港の場合はもうオクトパスで決まりなので、それだけ積極的に投資も可能だったのでしょう。
考えてみれば日本の電子マネーの氾濫振りは別に消費者のためではないんですよね。事業者側の勝手な思惑やテリトリー争いの結果乱立しているに過ぎないわけで。
本来事業者の乱立は競争を生むので消費者にとっては歓迎すべきことのはずなんですが、電子マネーに限っては、別に価格が安くなるでもなく特にメリットをもたらしているとは思えません。
どころか様々な電子マネーを使い分けないといけない不便さが際立っており、既に指摘されているようにこの状況が整理されるのは並大抵のことではないでしょう。
繰り返しますが複数の事業者があることは本来よいことなんですが、一方でこれだけ煩雑になってくると歓迎できることかどうか悩むところです。
香港の便利さに慣れると日本のほうがおかしく見えるような気もしますねー。