livedoorがブログのトップページをlivedoorトップページへ13日から統合したということで、livedoor利用者の間では「使い難くなった」との声もちらほらとはあるようだ。
確かに実際に使ってみるとトップページからだとどこからログインする(僕なんかはブログしか使っていないのでライブドアIDという言葉ではぴんと来ていなかった)のやら、管理画面に行けるのか多少迷ったものの、これはほとんど慣れの問題だろう。
トップページからのリンクによって、これまでよりアクセス数が増えるのでは?との思惑から多くの場合はほぼ歓迎されているようだ。
そういう意味では今回のリニューアルは成功だったとも言えるだろう。
しかしながら前回の記事にも関わるのだが、このリニューアルは単なるユーザー利便性以外の思惑も当然にして含んでいるように思われる。
前回の記事では敢えて提示しなかったのだが、やはりAlexaのlivedoorのトラフィックサーチを見て欲しい。
実はこれまでlivedoorではトラフィックの半分をBlogに依存しているのだ。
このユーザーアクセス傾向は検索サービスを放棄することになったNAVERの場合と非常に酷似している。
ここ2年のトラフィック推移を見ると昨年夏頃からそれまでの5倍以上の大幅な上昇が見て取れる。これは言うまでも無く「プロ野球参入問題」で一躍世間の耳目を集められた効果と、Memorize買収によってBlogサービスを一気に拡大できたことによるものだろう。
だが当然このトラフィック増大が収益増大に結びつかなければ企業として何の意味も無い。一説には昨年秋頃のBlogでの極端な高負荷対策として数億以上の投資を行ったとの話を見たこともある(未確認です)。その投資を回収するには、せっかく集めたBlogユーザー(または呼び込む閲覧ユーザーも含めて)に如何に自社サービスにお金を落としてもらうかが最大のポイントになる。
その意味でのリニューアルであり、今後もこうした他システムとの統合化が恐らく進められていくだろうことは想像に難くない。
その点においては、例えばYahoo!などではまだバランスの良いトラフィック分散が見て取れる。
一概には言えないし、また有償/無償サービス含めてだが、いずれかのサービスのみに依存するのではない、非常にバランスの良い(またはリスクヘッジされた)収益構造を維持しているものと推察でき、また事実そうした収益構造が維持出来ているようだ。
livedoor自身からすればこのBlog依存体質が解消されなければ収益や競争力には結びつかない。
そもそもlivedoor(旧オン・ザ・エッジ)は他企業や事業買収および各種製品の取り扱いを増やしてここまで成長した企業でもあり、各事業間の連動性が今後の鍵となるはずだ。
その理想像と現実の乖離による焦りのようなものを今回のリニューアルからも読み取れるのである。
また、同じBlogへのトラフィック依存体質であるが、Blogをコアとした新たなコミュニケーションサービスへの資本集中で立ち向かおうとするNAVERと、現行の他サービスへの統合や分散化で構造を変革しようとするlivedoor。
ユーザーからすればどちらもさほど差異の無いネットサービスにも見えるのだが、その戦略性は非常に対称的である点も興味深い。
表面上は遅々とした動きでもあり非常に見えにくいが、しかし確実にマーケット内では住み分けにも似た変動が進みつつあるのかも知れない。