旅行びと日記とblogeetも紹介頂いているBlogFan.ORG(ブログファン)さんで各Blogサービスのユーザー数比較の新しい試みをされています。
各サービス事業者が「登録ユーザーが○万人突破!」などのリリースをよく出していますが、単なる登録者数ではなく実際に記事を投稿しているアクティブユーザーを比較する、というものです。公称ユーザー数を水増しする「死にユーザー」を排除するという点からは非常に興味深く、定点観測好きにとっては格好の資料と言えるでしょう。
月/週/日毎での実際に記事を投稿したユーザー数(not= 記事数)を集計してデータ化することで、ユーザーの定着度つまりは人気度を比較しようというのは試みとしては新しいものです。
まだ10月からの集計データしかないものの、今後数ヶ月から1年以上のデータが蓄積されれば、かなり信憑性のある各サービスの栄枯盛衰が導き出されることでしょう。
詳しい内容は上記リンクを参照してもらうとして、結果を考察してみましょう。
■ポータルサイト系 vs. Blog専業系の明暗
残念ながらこの比較では各サービスごとの表に分かれていて分かりにくいので、勝手に10月分のアクティブユーザー数のみを順位化すると以下のようになります。
(何でかこの間が空いちゃうな。。)
順位 | サービス名 | アクティブユーザー数(2004/10) |
1 | 楽天広場 | 76511 |
2 | livedoor Blog | 65970 |
3 | NAVERブログ | 57931 |
4 | はてなダイアリー | 34346 |
5 | エキサイトブログ | 29949 |
6 | ヤプログ! | 29111 |
7 | goo ブログ | 24888 |
8 | JUGEM | 18819 |
9 | ココログ | 13699 |
10 | Seesaa BLOG | 9652 |
11 | ドリコムブログ | 8920 |
12 | アメーバブログ | 6838 |
13 | Doblog | 4664 |
14 | AOLダイアリー | 1540 |
– | ブログ人 | (未集計) |
こうして見ると、従来から指摘されていたように楽天広場が一人抜け出しています。現時点では名実ともに国内最大であることが証明されたと言っていいでしょう。公称で30万人を突破とのだけのことはあります。
但し実際にはそのうちの4分の1のみがアクティブユーザーであるというのは比率的には妥当なのか、あるいは少し低い気もしますね。
2位のlivedoor Blogは予想通りの強さ、そして所謂ポータルサイト系であるNAVERブログ、エキサイトブログ、goo ブログの順位の高さです。livedoor Blogも含めて、やはり自分が普段よく使っているサイトでBlogを開設するパターンが多い、ということでしょうか。とすると、既にBlog参入を表明しているYahoo!が実際に参入するとどう勢力図が変化するか、興味深いところです。
(それにしてもNAVERブログの順位だけはかなり意外ですが、公称で10万人を突破らしいので、妥当な数ではあります。しかしながらポータルサイトや検索サイトとしてはそれほどではないはずのNAVERがこれだけアクティブユーザー含めて集客できているのがちょっと解せず、見くびっていたのですが)
また、はてなダイアリーとココログの順位が個人的には驚きでした。それぞれもっと上位に位置しているのかと思っていたのですが。
特にココログはNiftyというバックボーンを持ちながらこのアクティブユーザー数の低さというのは、まだまだ集客方法やマーケティングに改善の余地があると読むべきか、あるいはやはり実質有料である(若しくはコストパフォーマンスの低さ)のが嫌がられているのでしょうか。
はてなダイアリーは老舗中の老舗という点では残念な結果となっています。但しそれでも企業規模から考えれば大健闘とは言えるのですが、ブランドが必ずしも集客に結びついていないのかも知れません。確かにその立ち位置が、現在となっては一般ユーザー向けとはなっていないことを示しているように感じられます。
対称的に下位に並ぶのは、いずれもSeesaa BLOGやドリコムブログなどのBlog専業系(と勝手に括って呼んでしまいますが)の事業者です。なんだかんだ言われつつJUGEMのみが抜け出しているようですが、それでも従来からの強者であるポータルサイト系を抜くことはできていません。しかもその他の事業者ではいずれもper Monthで1万人に届いていない状況です。
これをそれぞれの事業者がどう見ているかは、個々の事情にもよるでしょうが、Blogをコア・ビジネスとした展開を想定するにしてはまだ未成熟な段階のようにも思えます。
■Feedから見るユーザー層
さて、こうしたBlogサービスのシェア比較として有名なものには他にBulkfeedsさんのRSS Directory & Searchがありますが、こちらは各種Pingサーバーへ送られたFeed情報を基にしており、言うなれば投稿記事のシェア比較と言えます(但しPingされない記事も当然相当数存在するはずなので、それ以上の信頼性は無い)。
従来まではBlogサービスのシェア比較と言えばこちらが実質標準だった(と、少なくとも私は捉えていた)訳ですが
、敢えてこちらとも比較してみると、まずはてなダイアリーでのFeed数の高さが目立ちます。アクティブユーザー数では倍近い大差を付けられているはずのlivedoor Blogも抜いてダントツの1位です。
つまりそれだけはてなには「コアな」ユーザーの比率が高い、というのは主観入りすぎでしょうか。
同様に、ココログとJUGEMなどの他サービスとの相関関係を見るにこちらもFeed数が若干高いようにも見え、ユーザー層のコア化を示しているようにも思えます。
目を引くのは、ヤプログ!の時系列での急激な伸びです。私にはその理由が思いつかないのですが、それだけ集客力は他に比べて高い、ということでしょうか。
# どうも、可愛らしいBlogという点で特に女性層に支持されているような気はしますが。
その他はほぼ妥当な相関関係でしょうか。
# 因みにBulkfeedsのデータでは楽天広場とNAVERブログが含まれていませんが、これはBulkfeeds側が両者のデータを取っていないか、あるいはサービス側が対象となるアグリゲート元へPingを飛ばしていなかったか、どこかで読んだ気もしますが忘れてしまいました・・。
■まとめ
全般的に言えるのは、少なくともアクティブユーザーベースでは「強者はより強者となる」ということです。
これは残酷な結果かも知れません。
「現在のネットのあり方を大きく変える」と持て囃されるBlogをコア・ビジネスと位置付け、従来のポータルサイト系列に勝負を挑んでいる(であろう)Blog専業系にとっては、まだまだその目標には到達できていないように思えるからです。
逆に言えば、Blogはネットにおけるコンテンツサービスの従来通りの一種でしかなく、他サービスと組み合わせたい大規模事業者にとっては美味しい糧であっても、単独サービスとしてはまだまだ未熟な段階とも見えます。
Yahoo!が本当に参入するかどうかはまだ分からない気もしますが、もしそうなるとしても他社と同様のサービスやマーケティング展開ではないかも知れません。
Blogが一般化し出して数年、ここに来て参入するというYahoo!の戦略如何によっては、Blogが見せてくれてきた甘い夢は、甘くもない今まで通りの現実世界をただ見せ付けて終わる・・のかも知れません。
Blog アクティブユーザー ランキング
レンタルBlog各社、アクティブユーザー数ランキング(2004/10)。
1 楽天広場 76511人
2 livedoor Blog 65970人
3 NAVERブログ 57931人
4 はてなダイアリー 34346人
5 エキサイトブログ 29949人
6 ヤプログ! 29111人
7 goo ブログ 24888人
8 JUGEM 18819人
9 ココ.