2006-04
25
20:02:00
はてなとGREEが「口コミ広告」だって


はてなダイアリーとGREEが共同で「口コミ」プロモーションを商品化だそうで。
グリーとはてな、SNSとブログを利用したクチコミプロモーションを商品化

GREE はてな クチコミプロモーションパックは、指定されたキャンペーン素材を入稿するだけで、GREEとはてなダイアリー上で簡単にクチコミキャンペーンを開始できる口コミによるプロモーション商品だ。
・・・
キャンペーンの内容は、「□□の○○欲しい!」(□□はクライアント名、○○は商品名)とGREEの日記かはてなダイアリーに書いたユーザーに当選の権利(抽選)を与えるプレゼントキャンペーンで、GREEホームとメールおよびはてなダイアリートップとメールから特設キャンペーンページへ誘導する。

という記事を読んで、真っ先に思いついたのが、先日記事にしたpress@Blogの件。


再度述べると、press@Blogの広告の何が問題かと言えば、単なる広告であるにも関わらず口コミに見せかけている「偽口コミ」であること。そしてそれを広告であることを掲載するブロガー達が記事内で述べることを禁止している巧妙さだ。
既にそんな記事も溢れかえりつつあって、例えば以下のような記事を読んで、「これは広告だ」などと理解できる人がいるだろうか。
『武侠活劇オンラインRPG 英雄オンライン』のネットでの評判 – blogmap
僕はこれからは単に広告とは呼べない「いかがわしさ」をどうしても嗅ぎ取ってしまう。
こういうものが普通に広がるのは既存のネット社会に対する裏切り行為でしかない、と個人的には思っているのだけど、但しもちろんはてなとGREEが目指しているのがpress@Blogと同じ手法なのかどうかは分からない。
しかし「口コミを広告に使う」という手段は必然的にブロガー達の書く記事を単なるプロバイダーであるはずの両社が記事内容を「リード」しなくてはならない立場になることも意味しており、危険もかなりはらんでいると思う。
既に記事を上げられていた近江商人 JINBLOGさんも懸念されている通り、

こういうものって効果が出るかどうか以前に効果測定自体も難しく、その点についての明示がないと、クライアントだけではなくユーザー側にもわだかまりが残り、コミュニティとの付き合い方次第では最悪の事態(大炎上)を起こしかねないリスクをはらんでいる。

という点が両社にとってはリスクになるだろう。
以前はてなで実施したというブラザーのプリンタの広告を僕は知らなかったのだけど、確かにこの方法であれば「ノリ」としては非常にいいお祭りで終われるんだろうなと思える。
しかし、それが恒常的となり、かつ例えば広告商材への批評(批評も「口コミ」のうちのはずだ)も広告であることの明示もされないのであれば、「いかがわしさ」からは逃れられないだろう。そしてその行き先は明白でもある。
また、はてなユーザーとGREEユーザーだけでなく、その他一般の訪問ユーザーに誤解が無い方法であることも重要だろう。
とは言え、まともに考えればネット界隈ではネームバリューも経験もある両社のことなので下手な手は打たないとは思うのだけども、一方で「広告足り得る」ためには広告主の意に添えるような誘導が求められるかも知れず、果たしてその乖離をどのように調整するつもりだろうか。
近江商人さんが言うように、いつもは饒舌すぎるほど情報開示に躍起なはてな界隈でリリース文とかスタッフの日記などでも特に何も述べられていないのが確かに気になる。
願わくは、はてなとGREEが先行する「偽口コミ広告」を駆逐するような、本当の意味での口コミ広告が確立できるのかどうか、興味を持って注目したい。

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