今回はバグFIXとともに幾つか機能追加と仕様変更を行っています。
■オリジナル品質変換機能を実装しました
こちらは少し説明が必要だと思います。
まず背景から説明すると、ニコニコPodderも初期バージョンを公開してからほぼ二年が経過して、ニコニコ動画周辺も投稿される動画もかなり変容してきました。その中で、そろそろ変換される画質が気に入らなくなってきていた、という前提があります。
そもそもニコニコPodderは当初iPodやiPhone(その頃はtouchだけでしたが)で手軽にニコ動を見るために、画質・音質とも高品質を追求するのではなく、変換サイズも考慮して良すぎもせず悪すぎねせず、というところで変換オプションを調整していました。
以前はまだまだ著作権的に問題のある動画も多い時代で品質の悪いものも多く、またFLVだけでもありニコニコ動画全体の画質もあまりよくなかったので、これはこれでよくバランスが取れていたと思っています。
しかし最近はMPEG4も導入されたり、初音ミクなどに代表されるようなユーザーオリジナル動画の品質(画質とか音質)の向上には目を見張るものがあり、例えば「プロの犯行」などと呼ばれるのはご承知の通りです。
となるとニコニコPodderのデフォルト設定での画質・音質も甚だ不本意になってきており、デフォルト値を変えて、サイズや変換時間は多くなるものの、実際の動画に見合った品質にしたいな、と思っていました。
しかし問題が一つありました。
これは多くの変換ツールでも同じことなんですが、ffmpegのオプションなどでは変換時にビットレートやフレームレートなどの設定値をあらかじめ指定しないといけません。
もちろんある特定の動画であればそれに合わせればいいのですが、不特定多数の動画が変換される場合、具体的に値をどうするかは大きな問題です。
初期のニコニコPodderでは変換サイズとiPod画面で見ることを前提に、悪く言えば、良くも悪くもないどっちつかずの値を採用していました。
しかしそうすると、その品質を上回る動画を変換する際には当然それだけ品質は悪くなりますし、反対に品質の悪い動画の場合は帯域を使ってファイルサイズが無駄に大きくなります。
そこで今回、ダウンロードされた動画のビットレートその他の属性値を変換前に取得して、それを元に実際の変換値を決定する「オリジナル品質自動設定」機能を導入しました。
変換パラメータの設定値は元の動画に応じて毎回調整されますので、これであれば比較的元の動画に応じた品質とファイルサイズ、変換スピードのバランスが取れることになります。
とは言え、まだやっていることは単純で、例えば元動画のビットレートが800Kであれば、それをそのまま変換オプションへ渡しているだけです。また実際にはフォーマットの変換を行うのに、元動画の設定値そのままでいいのか、という考えもあります。
まだファーストチャレンジですので諸々欠点もあるのですが、少なくともこれまでよりiPodやiPhoneに相応しい画質・音質になるとは思いましたので、今回導入としました。
恐らく今後のバージョンではこの機能を拡張していくことになるかと思います。
長々と難しく書きましたが、使うユーザーにとっては、操作などはこれまでと何ら変わることはありません。
また以前の変換オプションを手動で設定することも問題ありません。
少し前より絵や音がきれいになったかな?ぐらいに感じてもらえれば幸いです。
なお今回変換オプション仕様を変更した都合上、nicoPodder.iniの変換オプション指定はすべて強制的に最新に更新しています。以前の設定はnicoPodder_backup.iniという名前でバックアップされていますので、必要に応じて参照または変更してください。
■SWFConvertは同梱にしました
ライセンス上も問題ないだろうと判断し、今回から同梱にしました。そのためパッケージに含むファイルは格段に増えています。
また1.0.3としてオリジナル品質自動設定に対応したほか、変換ステップ数も削減しています。
なおSWFConvert自体のライセンスは従来から変わりなくGPLv2です。別途ソースコードも公開しています。
従来まで使用していた”SWFConvert”フォルダはもう使用しません。お手数ですが手動にて削除しておいてください。
■右クリックメニューからの変換やiTunes登録の実行は再実行としました
■iTunes登録チェック時に無効なパスのファイルが登録されている場合には正しいパスで登録し直すようにしまし
た
微妙な変更ですが、一部コメント欄でリクエストも頂いていました。
これまでは右クリックメニューからファイル変換やiTunes登録をしても、すでにファイルが変換されていたりiTunesへ登録されていた場合には何も行いませんでした。これは「一括」の場合や「開始」ボタンを押した場合も同じです。
今回から右クリックメニューからの変換とiTunes登録については、更新という扱いにしました。
変換の場合はすでにファイルがあるかどうかに関わらず再度変換を行います。またiTunes登録の場合は、登録はそのままに説明やプレイリスト、アーティストなどの属性を更新します。
基本的に登録の削除は行いませんが、例外的に登録ファイルパスが無効な場合のみ、一度削除してから再度登録としています。本当はファイルパスも更新できるといいんですが現状では無理なため、一度削除としていますのでお気を付けください。
その他変更はアップデート履歴もご覧ください。
では何かありましたらコメント欄までどうぞ。
* R1.1.10をリリースしました。今後はそちらへどうぞ
2009-09
15
23:33:00
ニコニコPodder R1.1.9をリリースしました
2009-09
15
23:33:00
>ROCAさん
1について itunesには入っているのですが、Podderのほうでは登録に失敗した、となります。
itunesは9.0.0.70で、OSはVistaの32です。
2について 変化なしです。「マイリストの取得の終了」、あるいは「複数の同じ名前のプレイリストが設定されていましたが読み込みはスキップします」とでます。
ROCA さん:
> そちらではなく個々の処理を選択したいというのは、利用上何か理由はあるでしょうか。
大きく分けて 2 つ理由があります。
一つ目の理由の前提として、私は今現在ニコ動のマイリストに入れた順に iTunes に登録したいというのがあります (興味を持った順に視聴したいなどの理由で)。
で、その前提をできるだけ守れるようにするために、「ダウンロードのみ」を最初にやることが多いです。というのも、種々の理由で途中の動画のダウンロードが失敗することがあって、その場合その動画だけスキップされてしまい、一括だと iTunes の登録の順番が違ってきてしまうので、まず全部がダウンロード済みの状態にしてから、変換・登録をしています。
もちろん、処理後 iTunes でプレイリストを編集すれば済む話ですが、本来の順番を確認してビデオや音楽の位置を移動させるのが意外と面倒なので...
あと、ニコ動に投稿された動画で消されそうな動画群をとりあえず即効で保存しておきたい時にも「ダウンロードのみ」をすることがありますね 🙂
二つ目の理由は、ビデオ変換は時間がかかるので、急いでいる時などにまず音楽変換と 音楽変換ファイルの iTunes 登録 (および iPod 転送) だけしておいてから、後で時間がある時にゆっくりとビデオ変換・登録をしたいことがよくあるのです。
そういう意味では、開始メニューの項目として「ビデオ変換と iTunes への登録」「音楽変換と iTunes への登録」が欲しいかなと思っています。
もちろん、(ダウンロードだけしておいてから) 「ビデオへ変換する」もしくは「音楽へ変換する」のチェックを一旦外してから「一括」を選べば同様の処理になるわけですが。(実際に今はそうすることもよくあります)
>cloloさん
詳しい状況を教えてもらえますか。
1について、それは同じ動画で毎回出ますか。いろいろな動画で起こるでしょうか。
iTunesのバージョンは何でしょうか。また使っているOSは何ですか。32bitまたは64bit版のどちらでしょう。
2について、その現象が起きた動画で右クリックメニューから「最新のステータスに更新」を選ぶとどうなりますか。
>BAgeさん
ダウンロードは行われているのではないでしょうか。毎回ダウンロードが行われていますか?
変換で失敗していると思いますが、インストールしたフォルダにあるnicoPodder.iniに、サイトのTips(ttp://www.rocaz.net/nicop/#tips)に示したような設定はされていますか。サイトの内容と異なりますか。
また使っているOSは何ですか。32bitまたは64bit版のどちらでしょうか。
1.1.8の際にはお世話になりました。
あの時は何回もDLしなおす、DLする時間帯を変えてみるなどをして解決してましたが、今回も同じような症状が出ましたので報告させていただきます。
ビデオに変換する際に、
変換設定が見つかりません。正常に変換できませんでした。この動画をスキップします[Video:MP4]
と別ウインドで表示され、次の動画へスキップしてしまいます。
前と同じ症状なのですが、保存されたMP4動画を再生しようとすると、
エラー -2010:ムービーに不正なデータが含まれています(sm .mp4)
とう表示され、再生できません。
何回もDLしなおしたり、DLする時間帯を変えてみたりと努力をしてはいますが一向に状況が変わらない為、また聞きに来ました。
はじめまして。
二年ほど前から使わせていただいてます。お世話になってます。
二つほど質問なのがあります。
1、二つほど前アップデートしたときから、iTunesへの登録に毎回失敗するのがあり、iTunesを再起動しても効果ないのがあったりします
2、Podderを起動すると以前にダウンロードしたものがリストに残されており、そのままダウンロードしてまう、ということがままあります
以上の二点、何か解決策等あれば教えていただきたいのですが
>shigeorgさん
同一タイトルの問題などは了解しました。ちょっと改修できるか検討してみますね。
更新処理についてはそういう意見も出るだろうとは想像していました。
少し聞いてみたかったのですが、例えば右クリックメニューの一括からは変換のオプションに即した処理になってるかと思います。つまりスタティックな設定前提ですが、そちらではなく個々の処理を選択したいというのは、利用上何か理由はあるでしょうか。
>Zさん
ちょっと考えにくい現象ですね。
何かインストールに失敗しているような気がするのですが、
・以前のバージョンを使っていましたか。その時は動いていたのでしょうか
・再起動して何度試しても同じでしょうか。
・インストールしたフォルダにあるnicoPodder.iniに、サイトのTips(ttp://www.rocaz.net/nicop/#tips)に示したような設定はされていますか。サイトの内容と変わっていますか。
最新版DLさせて頂きました。
さっそくニコニコから動画を音楽に変換しようとした所,DL自体は出来たのですが
「変換設定が見つかりません。正常に変換できませんでした。この動画をスキップします」
とエラーになり変換が出来ないようです。
どの動画で試しても,またビデオに変換しようとしても同じ結果でした…
(ちなみにDLされた動画自体は,動画プレイヤー(KMPlayer)では再生できました)
仕様変更に伴う不具合の報告です。(あと、希望も)
これまでは同じタイトルの複数の動画を iTunes に登録しようとすると、2 つめ (回目) 以降は「既に登録済み」ということで登録されなかったので、最初に登録された動画本体と属性情報は合っていました。
今回、右クリックメニューが「再実行」になったことで、同じタイトルの動画が複数あった時には、後で登録処理をした動画の情報が既に登録されている (異なる) 動画に登録 (属性情報が更新) されてしまいました。
また、ニコニコPodder のローカルマイリストのステータス欄は、複数の登録処理を実行した直後は、それら複数の動画が全部登録されているようにマークされてしまっています。(実際には最初に登録した 1 つしか iTunes 上には存在しません)
ただし、最新のステータスに更新すると、最後に登録した動画だけが iTunes 登録マークが残ります。(実際に登録されている動画とは別の動画にマークが付いた状態になるわけです)。
もちろん、最初に登録した動画を最後に再度登録しなおせば「正しい」状態になるわけですが。
今回の「再実行」への仕様変更は、これ以外にも「複数選択した状態で変換処理を実行させると必ず実行してしまう」という動作になり、以前のように「既に存在・登録されているものは勝手にスキップしてくれるので、選択範囲をあまり気にしなくても適切な処理だけしてくれる (当然、必要な時間しかかからない)」という面のよさがなくなりました。
もちろん、再実行にすることで以前の動画を (半自動的に) より適切なビットレートで変換しなおしたり、iTunes 上の情報を更新できるというメリットも理解できます。
このあたり、どちらがよいのかというのは難しいところですね。(再変換や登録情報更新については、以前のバージョンでも一旦削除してから変換・登録を行えばできたわけですが、一々削除するのが面倒と言えば面倒ですね)
現時点の私の理想を言えば以下のようになるでしょうか。
・実行 (スキップあり) か再実行 (必ず処理) かは全体の設定で変更できる。(もしくは個々の動画の「ロック/保護」機能を導入して、ロックされている動画については再実行をスキップする)
・ニコニコ Podder のローカルマイリストの隠し (内部) 情報として、iTnues への登録の際の名前情報を持たせ、(ローカルマイリスト内をチェックして) ニコ動的に同じ名前の動画があると判断される時は、iTunes 登録名の後ろに「(1)」などをつけて別の動画として登録できるようにする。
あと、
・処理を開始した後の「停止」はその処理が終わるまで待つのではなく、即効で停止させる (ffmpeg による変換については子プロセスを強制停止させ、変換後の保存用一時ファイルを削除する)。
のようになると、間違えて長い時間がかかる処理を実行させてしまった時にすぐに中断させることができてうれしいなと思います。
以上、ご報告と勝手な要望でした。
>shigeorgさん
ご指摘の通り、まだ全然”インテリジェント”ではない機能なので、このような現象になっていると思います。
今後「調教」が必要だと思っていますが、それに当たってこうしたご指摘は助かります。
まずMP4/AACについては、AACをビットレートそのままでMP3にしているためと思います。
一般に低レートではAACの圧縮率はMP3を凌駕するとされており、恐らくMP3にするならもっと高レートでないといけないのでしょう。
本来はAACであればAACそのままがいいのですが、そのようにすると内部的に大きな変更となるため、R1.1系列時点では実装をあきらめた経緯があります。
ビットレートそのままでは問題になりそうなので、当面はAACかつ低レートだった場合には自動的にビットレートを上げる対応にしようと思います。ただしそうするとファイルサイズがそれだけ大きくならざるを得ないのが当面の問題でしょうか。
次にsm5916248などの場合は、恐らくビットレートが偽装、またはエコノミー回避の結果として、メタデータでのビットレートと実際がずれているようです。
例えばsm5916248 であればデータサイズから考えて実際には185k~192k程度のビットレートのようですね。それをメタデータ通り32kでエンコードしていますので当然それだけ劣化しているわけです。
本来はレアなケースかも知れませんが、場所がニコニコ動画だけに、当然想定すべきケースかと思います。
メタデータのビットレート自体は実はそれほど重要な情報ではなく、データサイズと時間から大体は推測可能ですので、偽装されていれば計算値を用いることで回避できると思います。
こちらも次バージョン以降で対処を検討してみますね。
ご指摘ありがとうございました。
新バージョンの公開ありがとうございます。
さっそく 1.1.9 を使ってみました。
これまでの不具合についてはじっくりと検証はしていませんが、とりあえず今の時点では解消されているように思います。
で、話題の 🙂 オリジナル品質変換機能ですが、基本的には適切なビットレートになることで、不要にファイルサイズが大きくなることもなくなってよいなと思うのですが、不具合 (?) も発生しています。
元動画の音声のビットレートが 32Kbps 前後の低いものであった場合に、変換後の MP3 が 32Kbps になるのですが、私の鈍感な耳で聞いてもあきらかに元動画より音が悪くなっています。(高音部分がカットされて ? くぐもった音になっているような感じです)
なお、48Kbps (MP4/AAC) -> 48Kbps (MP3) の場合はわずかに劣化しているように聞こえなくもないですが、私的には許容範囲です。
また、元動画がモノラルの場合は 32Kbps でも問題ないように聞こえました (一つの動画で確認しただけなので、他の動画ではだめかもしれませんが)
できれば 48Kbps を最低ラインにしたいのですが、最低ビットレートが設定できるような機能は実装されていないでしょうか。(nicoPodder.ini を書き換える方法でも OK です)
なお、確認したのは以下の動画です。ビットレートやコーデック等は KMPlayer の「メディア情報」で確認しました。
【明らかに音が劣化したと思ったもの】
sm7550803 (MP4/AAC:16Kbps -> MP3:32Kbps)
sm6287887 (MP4/AAC:22Kbps -> MP3:32Kbps)
sm5916248 (FLV/MP3:32Kbps -> MP3:32Kbps)
【モノラルで問題ないと思ったもの】
sm5902828 (FLV/MP3:32Kbps -> MP3:32Kbps)
【48Kbps の動画】
sm6972862 (MP4/AAC:48Kbps -> MP3:48Kbps)
音が劣化したと思った動画は、以前にすでに変換済であったものばかりで、以前のものは MP4 は 128Kbps になっていたので音の劣化はないようですし、FLV は以前のバージョンで変換したものなので MP3 をそのまま抜き出したものと思われ、これまた音の劣化はないように聴こえています。(以前の変換ファイルもバックアップで保存してあって比較できます)
あ、そうそう、ビデオ変換も同様の不具合があるのかもしれませんが、現時点では音楽変換しかチェックしていません。