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2009-09
15
23:33:00
ニコニコPodder R1.1.9をリリースしました


今回はバグFIXとともに幾つか機能追加と仕様変更を行っています。
■オリジナル品質変換機能を実装しました
こちらは少し説明が必要だと思います。
まず背景から説明すると、ニコニコPodderも初期バージョンを公開してからほぼ二年が経過して、ニコニコ動画周辺も投稿される動画もかなり変容してきました。その中で、そろそろ変換される画質が気に入らなくなってきていた、という前提があります。
そもそもニコニコPodderは当初iPodやiPhone(その頃はtouchだけでしたが)で手軽にニコ動を見るために、画質・音質とも高品質を追求するのではなく、変換サイズも考慮して良すぎもせず悪すぎねせず、というところで変換オプションを調整していました。
以前はまだまだ著作権的に問題のある動画も多い時代で品質の悪いものも多く、またFLVだけでもありニコニコ動画全体の画質もあまりよくなかったので、これはこれでよくバランスが取れていたと思っています。
しかし最近はMPEG4も導入されたり、初音ミクなどに代表されるようなユーザーオリジナル動画の品質(画質とか音質)の向上には目を見張るものがあり、例えば「プロの犯行」などと呼ばれるのはご承知の通りです。
となるとニコニコPodderのデフォルト設定での画質・音質も甚だ不本意になってきており、デフォルト値を変えて、サイズや変換時間は多くなるものの、実際の動画に見合った品質にしたいな、と思っていました。
しかし問題が一つありました。
これは多くの変換ツールでも同じことなんですが、ffmpegのオプションなどでは変換時にビットレートやフレームレートなどの設定値をあらかじめ指定しないといけません。
もちろんある特定の動画であればそれに合わせればいいのですが、不特定多数の動画が変換される場合、具体的に値をどうするかは大きな問題です。
初期のニコニコPodderでは変換サイズとiPod画面で見ることを前提に、悪く言えば、良くも悪くもないどっちつかずの値を採用していました。
しかしそうすると、その品質を上回る動画を変換する際には当然それだけ品質は悪くなりますし、反対に品質の悪い動画の場合は帯域を使ってファイルサイズが無駄に大きくなります。
そこで今回、ダウンロードされた動画のビットレートその他の属性値を変換前に取得して、それを元に実際の変換値を決定する「オリジナル品質自動設定」機能を導入しました。
変換パラメータの設定値は元の動画に応じて毎回調整されますので、これであれば比較的元の動画に応じた品質とファイルサイズ、変換スピードのバランスが取れることになります。
とは言え、まだやっていることは単純で、例えば元動画のビットレートが800Kであれば、それをそのまま変換オプションへ渡しているだけです。また実際にはフォーマットの変換を行うのに、元動画の設定値そのままでいいのか、という考えもあります。
まだファーストチャレンジですので諸々欠点もあるのですが、少なくともこれまでよりiPodやiPhoneに相応しい画質・音質になるとは思いましたので、今回導入としました。
恐らく今後のバージョンではこの機能を拡張していくことになるかと思います。
長々と難しく書きましたが、使うユーザーにとっては、操作などはこれまでと何ら変わることはありません。
また以前の変換オプションを手動で設定することも問題ありません。
少し前より絵や音がきれいになったかな?ぐらいに感じてもらえれば幸いです。
なお今回変換オプション仕様を変更した都合上、nicoPodder.iniの変換オプション指定はすべて強制的に最新に更新しています。以前の設定はnicoPodder_backup.iniという名前でバックアップされていますので、必要に応じて参照または変更してください。
■SWFConvertは同梱にしました
ライセンス上も問題ないだろうと判断し、今回から同梱にしました。そのためパッケージに含むファイルは格段に増えています。
また1.0.3としてオリジナル品質自動設定に対応したほか、変換ステップ数も削減しています。
なおSWFConvert自体のライセンスは従来から変わりなくGPLv2です。別途ソースコードも公開しています。
従来まで使用していた”SWFConvert”フォルダはもう使用しません。お手数ですが手動にて削除しておいてください。
■右クリックメニューからの変換やiTunes登録の実行は再実行としました
■iTunes登録チェック時に無効なパスのファイルが登録されている場合には正しいパスで登録し直すようにしまし

微妙な変更ですが、一部コメント欄でリクエストも頂いていました。
これまでは右クリックメニューからファイル変換やiTunes登録をしても、すでにファイルが変換されていたりiTunesへ登録されていた場合には何も行いませんでした。これは「一括」の場合や「開始」ボタンを押した場合も同じです。
今回から右クリックメニューからの変換とiTunes登録については、更新という扱いにしました。
変換の場合はすでにファイルがあるかどうかに関わらず再度変換を行います。またiTunes登録の場合は、登録はそのままに説明やプレイリスト、アーティストなどの属性を更新します。
基本的に登録の削除は行いませんが、例外的に登録ファイルパスが無効な場合のみ、一度削除してから再度登録としています。本当はファイルパスも更新できるといいんですが現状では無理なため、一度削除としていますのでお気を付けください。
その他変更はアップデート履歴もご覧ください。
では何かありましたらコメント欄までどうぞ。
* R1.1.10をリリースしました。今後はそちらへどうぞ

2008-11
19
23:30:00
YouTubeの&fmt=22


各所で話題になっていますが、最初聞いた時は以前話があったfmt=18の続きかぁぐらいだったんですが、実際に見るとかなり印象が変わります。
とにかく見ていない人は一度見てみるべき。

上記のfmt=22版 http://jp.youtube.com/watch?v=JXyZQ_O0Agg&fmt=22
とにかくうちの22インチディスプレイで全画面にしてみてもブロックノイズが全く乗っていないのには驚きです。
fmt=22版のファイルをキャッシュから発掘してスペックをMediaInfoで見てみると、
– コーデック : H.264
– コーデック/Info : H.264 (3GPP)
– 再生時間 : 1分 23秒
– ビットレート : 1996 Kbps
– 幅 : 1280 ピクセル
– 高さ : 720 ピクセル
– 解像度 : 16/9
– フレームレート : 30.000 fps
– ビット/(ピクセル*フレーム) : 0.071
– StreamSize : 19.9 MiB
ということでいわゆるHD画質(720p)にはフレームレートが足りないみたいではあるけれど。
ただ音質も上記だと248Kbps取れていたりと、少なくともDVD以上の画質がオンラインで得られるんですからいい時代になったものです。
一時期は低画質の代名詞みたいに言われていたYouTubeの変貌に驚く声があるみたいですが、多分驚くには当たらず、彼らには計算通りだったのではないかと思います。
一つにはそもそもあの低画質はFlashが提供するコーデックが当初H.263しかなくやむを得ない選択肢だったこと。但しスタート当初の設備では妥当なサイズでもあったことでしょう。
もう一つは以前聞いた話では(ソース無くした。。ごめん)YouTubeはサイト開設以来投稿された全てのオリジナルソースを保持しているそうです。
つまりH.263だろうとH.264だろうと提供する画質に変換してしまってもオリジナルは別に保管されているようなのです。
なのでiPhoneにサービス提供する際にもすぐH.264(fmt=18ですね)画質でサービススタートできたようです。
低画質の代名詞みたいにされていたのは悔しかったと思いますが、先を見据えた戦略が花開いたよい例と言えるかも知れません。