一昨日の記事では書き足りない気がしたので追記してみる。
そもそも今回のGoogleのペイパーポスト問題への様々な言及を見るに、せっかくなので乗っかってもうすこし明確なことを残しておきたい。
こんな辺境のブログだけど、少しでも声を上げておこうと思う。
一昨日の記事で書けなかったのは、そもそものペイパーポストに対する是非だ。
以下、目に付いたあたりのブログ記事。
Google、ペイパーポストのブログマーケティングで謝罪
GoogleのPayPerPost騒動の議論に思うこと
Google Japan、マーケティングと倫理観の憂鬱
これ以外にもかなりのブログやSBMで言及されている。
けれど僕の感覚からすると、それはちょっと違うんでないの、という意見も少なからずある。
無論それはそれで意見だし感想なのだけど、そういう層に向けてもう一度どうして問題視する人は問題視するのかまとめてみる。
「ステルス」タグアーカイブ
2006-12
27
22:41:00
FTC、ステルスマーケティングを規制へ
少し前から流れていた話なんだけど、アメリカのFTC(連邦取引委員会)が偽口コミ広告の規制に乗り出しています。
FTC、PayPerPostを規制?
米国でステルスマーケティングを規制の対象にする動き
海の向こうの話ではありますが、とうとう司法当局の介入が始まってしまいました。
一番最初に懸念していたことなんですが、ユーザのためには仕方ないとは言え、その前にインターネット全体での自浄能力が働いて欲しかった、というのが実感。
エニグモのプレスブログも以前ITmediaに載った佐々木俊尚氏の記事で「バイラルマーケティング」などともっともらしいことを言っていますが、
元ネタがプレスブログ経由かどうかをブログに書くかどうかについては、ブロガーに任せている。「プレスブログで知った」と書いても構わないし、あるいはいっさい記載しなくても構わない。またクライアント企業からは、「プレスブログ経由だとエントリーに表示してほしい」という要請はブロガーに伝えているが、「プレスブログのことは書かないでほしい」という注文は受け付けていない。
だそうですが、
http://www.pressblog.jp/mg/20061226go/index.html
*ブログへの「原稿料支払条件」「原稿料」の転載・記載、及び本プレスリリースへのリンクを禁止いたします。
てのはどうなんでしょうね。
とまあ、根っこは同じです。
(佐々木俊尚らしくない浅い記事だなぁとちょっと不満)
いずれ日本でも同様の規制が入ることになるのかなぁ。残念ですが。
関連記事:
ナレッジパークの炎上騒ぎはちょっと可哀想すぎ
「スポンサー付きブログは何が問題なのか?」の記事を読んで
SixApartまでもが魔の手に落ちた
はてなとGREEが「口コミ広告」だって
換金可能な口コミとは?
2006-08
24
22:50:00
「スポンサー付きブログは何が問題なのか?」の記事を読んで
FPNに先日上げられた表題記事。
僕の言葉だと「偽口コミ記事」なんですが、このような大手サイトでこの問題が取り上げられたのは初めてじゃないかな。
スポンサー付きブログは何が問題なのか?
なるほど。金銭だけでなく、物品を提供してもらうモニター・ブログなるものもあるんですね。また広告であることを読者に公表しない「ステルス・マーケティング」なる言葉があり、アメリカでは既に問題化していると。
紹介されているCampusPark(ナレッジパーク)のポリシーはブロゴスフィアの特質を確実に見切れていると思います。
女子大生セグメントではステルスマーケは無意味
① 商品提供を受けているということをきちんとユーザーに伝えます。 ② その上で使用していること、使用感などをユーザーに正確に報告していきます。 ③ 無理に褒めたりすることなく、モニター日誌的な内容にします。 控えめな内容でもウソがないのは重要です。またモデルたちが不満なく使い続けてくれているということで安心感と信頼感を与えることができます。④ 逆にモデルが気に入らなかった際にはすぐに使用を打ち切る。実はこの④がとても重要で、これを徹底するかどうかで評判が大きく変わってきます。当社でもクライアント社の商品をお預かりして、ブログに掲載する際、この4点をご協力いただくようお伝えしております
素晴らしい!
このような原則は女子大生セグメントに限らない話なわけで、現在においても将来においても「(潜在)顧客に嘘をつかない」などというのは、企業論理としては然るべき選択でしょう。
press@blogやブログルポのようなステルス・マーケティング会社が旗振り役を務めているのもどうかとも思いますが、それと同時にこのような行為に何の罪悪感も問題意識も持たない広告主も全くの同罪です。
広告主も最近ではNTTドコモ、ビクターエンタテインメントやBUFFALOなど名前も通った比較的大企業も登場するようになっています(前に記事にしたSixApartなんてのもありましたね)。
「客に嘘をついている」認識がそもそも無いのか、それともばれる訳が無いととぼけているのか。
本当のところは分かりませんが、アメリカと同じく日本でもこのような偽口コミ記事やステルス・マーケティングへの理解は徐々に浸透していくかと思います。
そうなった時に、今広告を次々打っているこれら企業はどのような衆目にさらされることになるのでしょうね。ならば、今現在どのような企業からの広告が入っているのか知っておくことは将来の企業選別のためにも重要なことかも知れません。
彼らにその自覚があるのかないのかは分かりませんが・・。
果たして潜在・顕在問わず顧客とどのような姿勢で向き合っていけるのか、その真価が今問われています。
そしてこの意識こそが現代における「マーケティング2.0」に繋がっているんじゃないかと思うのです。
参考:
換金可能な口コミとは?
はてなとGREEが「口コミ広告」だって
SixApartまでもが魔の手に落ちた
P.S.
ところで、こうした企業に騙されないために、敢えてpress@blogに登録してみるのも一つの手です。
使い捨てメールアドレスがあれば簡単に登録して、新規広告依頼を見ることができます。
どんな企業が騙し広告を打とうとしているのか、分かって面白いですよ。
P.S. その2
press@blogの最近の依頼例ですが、
【今回は新しい審査方法を導入します!】
・1,000円/1ブログ もしくは 50円/1ブログ(先着500名様+抽選500名様)
先着枠、抽選枠に関わらず魅力的な記事だと弊社が判断させて頂いた100名様には1,000円を、それ以外の900名様には50円をお支払いたします。
*大変申し訳御座いませんが現時点において、弊社が魅力的な記事と判断する判断基準は公開しておりません。
先着順とかじゃなくて、尻尾の振り方を広告主が気に入った記事にだけ支払うようにするみたいですよ。
ようやく本性が出てきたのかな?(笑)