TOKYO MXが番組Blog TVをYouTubeで無料配信するというニュースが流れていました。
国内では初なんでしょうが、海外では番組どころか現在放送中の内容をストリームで全てだらだら流していることもある(CMもそのまま流れてたり)ので、実はそれほどびっくりすることでもないです。
ニュース自体ではこうした初の試みの部分とかクリエイティブ・コモンズとして配信されることに注目されていましたが、僕が面白いと思ったのは、YouTubeに対してあくまで一ユーザーとして投稿するに過ぎない、という点です。
TOKYO MXが自社番組をYouTubeで配信,1ユーザーとして投稿
つまり別にYouTubeに対して提携の申し入れをしたわけでもなく、「勝手に」使っているだけなんですね。
これはある意味重大な発想の転換といえるかも知れません。
例えばYouTube似のサービスを狙ったフジテレビは自前で「ワッチミー!TV」というサイトを開設しました。つまり自前でインフラからサービスから用意することを選択したわけですが、MXは既にあるインフラを生かしてただ利用することを選択したのです。
つまり、どちらも志向としては流行のCGMだとか動画サービスでありつつも、いわゆるSaas(Software As A Service)的なアプローチと従来的なソフト提供の発想に分かれた、とも言えるでしょう。
もちろん両社の狙いは全く別物なので方法論も当然にして分かれたと言えるとも思いますが、一方でこれからのネットサービスの抜本的で極端な二つの方向性を示したとも言えるんじゃないでしょうか。
ネットサービスを提供する、ということを考えた場合に、自前で設備投資を行いデータやストレージを管理するような従来型の方向と共に、そうした既存のWEBサービスを如何に流用して新たな付加価値を付けていくかを想定する側です。
この両者は「持てるもの」と「持てない(持たない)もの」とも言えるし、「パーツを提供するもの」と「パーツを組み上げて完成品を提供するもの」であるかも知れない。または「サービサー」と「サービスそのもの」かも知れません。
どちらが主導権を握るかではなくて、例えば必ずしもデータを持つものが強いとも限らないでしょう。
WEBサービスが今後より多様化と詳細化していけば、より複雑なマッシュアップから、それこそ元のサービスからも想像もされなかったサービスが生み出される可能性があります。
認証、決済、ストレージ、デスクトップ、ワークフロー、IMなどなど。既に生まれてきているこれらのサービスはまだ全てがWEBサービス化されているとは思わないし、こなれているとも言えないでしょう。しかし近い将来より洗練化された後には、現在ネットサービスとひとくくりにされている業界もより細分化と分業化、そして垂直化されていくように思います。
Saasの行く末は、実は「持つことを捨てた」先にあるかも知れません。
「配信」タグアーカイブ
2006-03
23
22:14:00
楽天のRSSがひどすぎる件
楽天市場が配信する売れ筋ランキングのRSSを初めて見たのですが、あまりにひどくて唖然。
どうも昨年の8月頃から配信を始めたようですが、まともな体を成していないと思う。
例えばこちらがパソコン・家電・AV用のRSSなんですが、
http://event.rakuten.co.jp/ranking/rss/pc.xml
- 売り文句が最前面に出たタイトルや内容はまだいいとして、descriptionに説明を全部ぶち込もうとしているのは何だろうか。しかもCDATAで囲むのは不自然?では?
- 何故にRSS2.0なのだろうか。特にenclosureで何かを読ませたい訳でも無さそう。しかもdescriptionにイメージとリンクを入れるぐらいなら、せめてcontentモジュールを拡張するか、いっそのことRSS1.0などでいいのでは。そもそもRSS2.0を使っているポリシーがよく分からない。
- item要素にpubDateが無い。channel要素にlastBuildDateはあるのだけど。よって、お馬鹿なRSSリーダーではクロールの度に同じitemを繰り返し読まされることに。
(infoseek RSSリーダーとかで読んでみましょう(^^;) - link要素に何故RedirectorへのURLを指定するのか。そんなにクリック数をカウントしたい??直リンクじゃ駄目な訳は何だろうか。
- どこにRSSへのリンクが集まっているのか、全然分からなかった。結局infoseek RSSリーダーのプリ登録されたURLから探したけど、総合ランキングは未だに分からず・・。
- パソコンだけとか家電だけとかのRSSが無い(または見つからず)。範囲広すぎ。Webサイト自体はもっとカテゴリーが細分化できてるのに。加湿器とメモリスティックが同じランキングに登場していてそこから何を読めというのか。
- このパソコン・家電・AV用RSSなどは最終更新日が2月22日。つまり一ヶ月以上更新無し。大カテゴリのRSSは大体それぐらい。運営側が存在を忘れているんじゃないか??
- Auto Discoveryぐらいランキングページで対応しておいたらどうだろうか。
こんなところですか。
RSSは、ただ提供したからいいというものでもないと思うので。もったいないですね。
ぜひどこかのニュースサイトで楽天の担当者に「楽天におけるWeb2.0対応」とか何とかのネタでインタビューとかして欲しい(そう言えば楽天に限ってそういうの見たことないなぁ)。何を答えるのか、大いに興味がある。
2006-03
23
01:38:00
RSS配信をカスタマイズする意味
近頃考えていたことに関連して、ちょっと面白い記事を見つけました。
RSS フィードの SEO 対策 – 9つのポイント(?) – My RSS 管理人 ブログ
RSSフィードの SEO 対策(?)
1. 全文を配信する
2. 20以上のアイテムを配信する
3. カテゴリ別など複数種類のフィードを配信する
4. アイテムタイトルはキーワード中心にする
5. アイテムタイトルにブランド名を入れる
6. 最も重要なキーワードをサイトタイトルに入れる
7. わかりやすいサイト要約をつける(サイトのdescriptionタグ内)
8. URLにトラッキングコードを入れない(例: &source=rss)
9. Podcasting などの付帯情報(enclosure)を入れると被参照範囲が広がる
記事の趣旨としてはSEO対策のためとなっていますが、一方でこれは如何にブログエントリーの流通性を高めるか、という指摘でもあります。
指針で惹かれるのは、やはり全文配信の是非についてでしょう。
但し、多くのブログではそもそも全文配信を選ぶことさえ出来ない場合が多いです。
さすがにMT辺りではカスタマイズ可能ですが、多くのBlog事業者の提供するASP型Blogではほとんどの場合記事概要や本文(追記除く)がデフォルトで、全ての記事を配信させることは意外にも出来ません。
これほどBlogが一般化している中でこれは意外な盲点のようにも思います。