2014-07
02
07:14:05
新料金プランでキャリア各社iPhone5sの月額・総額コストはどれだけ変わったか


既報の通り、携帯キャリア各社は次々国内通話定額プラン+データ従量型定額プランを打ち出し、一般ニュースにも取り上げられて大きく話題になった。

 

定額通話 まずドコモ、2社追随 音声収入減、歯止め狙う

KDDI、音声定額プラン発表 月2700円&データ通信「カケホとデジラ」

 

特徴は、「通話定額プランが必須」「データプランも含めて実質値上げ」「価格が全社全く横並びの阿吽の呼吸での価格カルテル」というところか。

データプランがこれまでの月7GBプラン一つだけという状況から2GB/5GB/10GBなど複数のプランから選べるようになった・家族で使用容量を分け合えるなど柔軟な点が出てきたことは評価できるが、相変わらずの寡占状態を悪用した価格横並びカルテル体質、またそれを利用したまたもやの実質値上げは強く批判されるべきだろう。
これらの点はTwitterでも単発的に発言しているしまた別エントリーで述べるかも知れないのでこのエントリーでは深くは触れない。
昨年9月iPhone5sの発売開始直後に各社月額・総額コストをシミュレーションしてみたことがあるが、それを元にこの国内通話定額プラン+データ従量型定額プランになることでどう変わるのか、まとめてみた。
なおドコモとソフトバンクは既に開始されているがau/KDDIは8/13から開始なのでまだあくまで予定だ。またMNP同士を比較とした。

月額コスト

 

2014/07時点
キャリア ソフトバンク KDDI NTTドコモ
基本料金 基本プラン 電話カケ放題プラン カケホーダイプラン
¥2,916 ¥2,916 ¥2,916
インターネットプロバイダー料金 S!ベーシックパック(i) LTE
NET
spモード
¥324 ¥324 ¥324
データ定額 データ定額パック(標準5GB) データ定額サービス(データ定額5
5GB)
パケットパック(データMパック
5GB)
¥5,400 ¥5,400 ¥5,400
MNP割引
¥0 ¥0 ¥0
月額合計 ¥8,640 ¥8,640 ¥8,640
2013/09 時点
キャリア ソフトバンク KDDI NTTドコモ
基本料金 ホワイトプラン LTEプラン タイプXi にねん
¥980 ¥980 ¥780
インターネットプロバイダー料金 S!ベーシックパック(i) LTE
NET
spモード
¥315 ¥315 ¥315
データ定額 パケットし放題フラットfor 4G LTE LTEフラットスタート割(i) Xiパケ・ホーダイ
for iPhone
¥5,460 ¥5,460 ¥5,460
MNP割引 バンバンのりかえ割 auにかえる割 ドコモへおかえり割
¥-980 ¥-980 ¥-780
月額合計 ¥5,775 ¥5,775 ¥5,775
差額
キャリア ソフトバンク KDDI NTTドコモ
月額差額 +¥2,865 +¥2,865 +¥2,865

 

データプランは何種類かあるが、ここでは家族での利用は考えずデータシェアはせず一人で利用することを前提に、各社でおすすめとしている5GBプランを例にした。

一見して分かるように、MNP割引などが現在存在していないためもあるが、月額約3000円近い値上げになる。これはほぼ通話定額代分がそのまま値上げ分に相当していることになる。
そしてまた、月額合計がそうなので当然といえば当然なのだが、差額まで全くの横並びというのが何とも皮肉だ。

 

総額コスト

 

2014/07時点
キャリア ソフトバンク KDDI NTTドコモ
1年で解約時総額(概算) 16G
¥141,640 ¥141,705 ¥139,968
32G
¥152,070 ¥152,415 ¥150,336
64G
¥162,500 ¥163,215 ¥160,704
2年契約時総額(概算) 16G
¥224,640 ¥224,640 ¥224,640
32G
¥235,200 ¥236,520 ¥235,008
64G
¥245,760 ¥247,320 ¥245,376
2013/09 時点
キャリア ソフトバンク KDDI NTTドコモ
1年で解約時総額(概算) 16G
¥106,155 ¥106,155 ¥104,580
32G
¥116,345 ¥116,345 ¥114,660
64G
¥126,535 ¥126,535 ¥124,740
2年契約時総額(概算) 16G
¥150,150 ¥150,150 ¥150,150
32G
¥160,470 ¥160,470 ¥160,230
64G
¥170,790 ¥170,790 ¥170,310
差額
キャリア ソフトバンク KDDI NTTドコモ
1年で解約時総額(概算)差額 16G
+¥35,485 +¥35,550 +¥35,388
32G
+¥35,725 +¥36,070 +¥35,676
64G
+¥35,965 +¥36,680 +¥35,964
2年契約時総額(概算)差額 16G
+¥74,490 +¥74,490 +¥74,490
32G
+¥74,730 +¥76,050 +¥74,778
64G
+¥74,970 +¥76,530 +¥75,066

 

1年または2年総額ではより明確だ。何と2年縛りで素直に契約して利用すると、これまでより74000円-76000円程度も高くなるのだ。
これは確かに各社、通話定額プランしか選べないようにして2年で縛りたいと考えるものなのかも知れない。

データプランでも利用できる通信量が7GBから5GBへ減ったという点はあるものの、これらの高騰の原因は税込ではほぼ3000円もする通話定額プランにあることは間違いない。
ではどれだけ使えば「元が取れる」のか、については、以前三上洋氏がグラフで検証していた。

 

損得をグラフでチェック! ドコモ「カケホーダイ」に入るべき人は?【スマホ編】(3/4)

 

単にタイプXi 2年を契約していた人は、月に50分(!!)以上通話するなら今よりもお得に使えることになる、という結論である。

無論仕事などで元からそれだけ通話しているならいいのだが、無理に50分通話して元を取るというのも無茶な話だ。
結局のところ待受中心の人にとっては最大月約3000円の値上げ以外の何物でも無い。

もう一つの考え方として、総額コストから考えるなら、iPhone 5s 一括0円を狙えるなら、昨年9月時点との差はほぼ無くなるか逆転する。特に2年利用するなら16G 約70000円から64G 約90000円が浮くことになるので差額分は確実に無くなる。これであれば以前と変わらないコストの上に更に通話定額にもなるのでお得になったとも言えるだろう。
しかし残念ながら最近ではiPhone5sだと一括0円はまず出ていないようなのだ(5cであれば山のようにあるようだが)。
実は2-3月頃なら例の高額キャッシュバックでも騒がれていたように、キャッシュバックの上に当然のように一括0円が当たり前になっていた。
またこれはキャリア・機種にもよるのだが、一括0円+キャッシュバックにもかかわらず、従来通りに月々サポート・毎月割・月月割はそのまま継続していたようだ。
だがそうした状況が今後いつ戻ってくるかはまだ分からない。

 

結論として、

  • 既にiPhoneなど他スマホも含めて契約済みでも、月に50分以上確実に通話するなら新料金プランへ移行すべきである。そうで無いなら今のプランを維持すべき
  • 今新規やMNPで契約する場合、上記と同じく月に50分以上の通話をしないなら今のうちしか契約できない既存プランを選択すべき
  • 一括0円が出ていたらそれはお買い得
  • 但し今は買い時では無いかも知れない。9月に控えているであろうiPhone6を待って(その頃にはドコモとソフトバンクでは既存プランはもう選べない)新製品をこのコストで買ってもそれはそれで満足できるだろうし、あるいはiPhone5sは旧製品として再び一括0円に戻っているかも知れない。いずれにせよ保証は無いが、これから数ヶ月は恐らく最もiPhoneの売れ行きは落ちる時期なので、そこに賭けてみるのも一つだろう
  • どのキャリアで買っても価格はどこも一緒。僅かなキャンペーンの違いやキャリアの好き嫌いで選べばいい

というところだろうか。

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